アキュラホームグループは、世界初となる木造軸組工法の耐震構造による「5階建て純木造ビル耐震実験」を実施した。実験では国の基準である地震波で倒壊・損傷なしの実証データを取得。今後は実験データを建築確認申請などの実用性の根拠として活用し、木造の街並みの実現を目指す。
アキュラホームグループは、東京大学と京都大学の共同で、世界初となる木造軸組工法の耐震構造による「5階建て純木造ビル耐震実験」を実施した。実験では国の基準である地震波で倒壊・損傷なしの実証データを取得。今後は実験データを建築確認申請などの実用性の根拠として活用し、木造の街並みの実現を目指す。
木造軸組工法の耐震構造は、これまで純木造ビルの安全性確認の根拠となる実証データが存在せず、建築確認申請の審査に時間がかかるなど普及するためには壁があった。同実験では、告示波とそれを上回る震度7クラスの地震波を計6回加振し、どこまで加振すれば損傷するか、今までにない実証データを取得することに成功した。今後は建築確認申請などの実用性の根拠として今回の実験データを活用していく。
中規模木造建築は、耐震性能や耐火性能の実現のために、木と鉄骨を併用するハイブリッド構造や免震装置を設置するなど、多くの費用や技術力が必要となり敬遠されてきた。「普及型純木造ビル」はそれらを使わず耐震構造で建築を実現し、大幅にコストを削減しつつ普及できる工法となる。
同社は、以前から日本の伝統的な工法として最も普及している木造軸組工法にこだわってきた。技術向上のため、過去4度の実物大耐震実験や耐力壁の強度を競い合う「壁-1グランプリ」への参加など木の特性について研究し、業界をリードしてきた経緯がある。それらの知見から普及型純木造ビルのプロトタイプが実現した。
同社内の施工状況によると、新社屋となる「8階建て純木造ビル」をすでに着工している。加えて5階建ての純木造のモデルハウスも11月下旬に完成する予定だ。
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