物流に関しては、2020年8月に長野県伊那市に導入され、毎日運行している自治体配送サービスのほか、日本航空(JAL)と進める運行管理体制の構築、エアロネクストとACSLと共同で提供する地域配送のソリューション「AirTruck Starter Pack」などをパネル展示。物流を担う機体としては、伊那市での配送サービスに採用しているプロドローン「PD6B-Type3」、量産型物流専用のACSL製「AirTruck」を陳列した。
測量では、ドローンを用いた測量/撮影から、出来形管理図などの作成までをワンストップで提供するレーザー測量サービスと、アイサンテクノロジーとのパートナーシップを紹介。関連機器として、Phoenix LiDAR SystemsのDJI「Matrice300 RTK」に搭載できるレーザースキャナー「SCOUT ULTRA」も出品した。
点検は、風力タービンや水力発電設備、橋梁(きょうりょう)などの点検業務を安全かつ効率的に進めるためのサービス提供の流れとメリットをパネルで解説。事例としては、ドローンのオートフライトによる風力タービンの点検、2022年1月に千葉県銚子沖で実施した洋上風力発電設備の高精度点検などがある。
監視は、遠隔地の監視に、遠隔飛行や長距離飛行ができるドローンを活用することのメリットを説明。活用例としては、建設現場の安全監視や地表面計測のために飛島建設が採用したCIRCの機体と発着陸基地(ドローンポート)が一体となった「G6.0&NEST」、災害対応の目的で三重県志摩市のDJI「Matrice 300 RTK」による海岸部の巡回監視を採り上げた。
なお、CIRC「G6.0&NEST」を用いた運行管理システムは、今展の来場者から革新的で将来性のある製品・技術、サービスと評価され、「Best of Japan Drone Award 2022」のオーディエンスアワードを受賞した。
さらに未来の技術のコーナーでは、次世代のドローン活用を視野に入れた取り組みに触れた。昨今のロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ側を支援する技術として話題になったスペースXの衛星インターネットサービス「Starlink」との業務連携をはじめ、プロドローンの水空合体ドローンへのLTE搭載、2017年にNEDOから受託して進めている空域管理の開発実証、物流でも運行管理システム構築など、これからのドローン活用の可能性を提示した。
「通信を活用して、ドローンの機能を拡張することが、スマートドローンツールズの基本コンセプトだ」とブース担当者は話し、「これまでは、目で見える範囲、コントローラーで通信可能な距離という制約を受けていた。ドローンの社会実装が進み、今後、長期距離の物流やダムなど広域にわたるインフラ点検などで、ドローン需要が高まることが予測される。そのときに、当社のサービスが生きてくる」と自信を示した。
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