目指したのは“ランプの明かり” コロナ後の需要増を見込み、導光技術で煌めくLED屋外照明「llumiro」発売LED(1/2 ページ)

コロナ収束後には、感染拡大前に国が推進していたナイトタイムエコノミー(夜間の経済活動)の復活やPark-PFIによる民間主導の公園利活用といった夜間にも屋外での人の動きが活発になることが見込まれている。パナソニックでは、そうした需要を見越し、現状の市場には心地よく夜間に屋外を照らす照明器具が無いことに注目して新たなLED照明を開発した。

» 2022年06月09日 06時26分 公開
[石原忍BUILT]

 パナソニック エレクトリックワークス社 ライティング事業部は、「建築に自由を与える。」をコンセプトに掲げ、先進的な素材や技術を用いた照明器具シリーズ「SmartArchi(スマートアーキ)」の新製品として、透明な「導光ロッド」が美しく光り、上質な屋外空間を演出するロッド型のLED屋外照明「llumiro(ルミロ)」を2022年6月1日に発売した。

導光技術で屋外LED照明に快適性とデザイン性を両立

「illuminate」と「rod」を組み合わせた「llumiro(ルミロ)」 提供:パナソニック エレクトリックワークス社 ライティング事業部

 llumiroは、空間を演出するという意味の「illuminate」と、「導光ロッド」の形状を表す「rod」を組み合わせたネーミング。上質な空間演出と、ゆっくりと眺めていたくなるような心地よい光を目指して開発した屋外用のLED照明器具。開発の背景には、コロナ回復後に見込まれるナイトエコノミータイム(日没時間の18時から翌朝6時までの娯楽やアクティビティを通した経済活動)の拡大と、民間事業者に公園管理を委託して園内にオープンスペースや収益施設を整備するPFIの1つ「Park-PFI」の普及がある。どちらも、夜間でも安心して楽しめる屋外空間や人が集いたくなる空間づくりが求められる。

PFI事業は2015年度以降、増加傾向にある 提供:パナソニック エレクトリックワークス社 ライティング事業部

 パナソニック エレクトリックワークス社 ライティング事業部では、事業の柱となっている照明の観点から、夜間の屋外空間での過ごしやすさを研究しており、2004年に販売を開始したエクステリアLED照明「SmartArchi」による外構や植栽の演出に加え、人起点での「安心・安全」「心地よさ」「感動・発見」に着目。2020年9月には、SmartArchiシリーズに、まぶしさを抑えつつ歩道をワイドに照らし、安心・安全な歩行環境を確保する長方形型ポールライト「Broad Washer(ブロードウォッシャー)」を追加している。

「Broad Washer」の片側配光タイプ(無点灯状態)と下方配光タイプ(点灯状態)

 今回リリースしたllumiroは、今後、人が過ごす夜間の屋外空間が増える一方で、心地よく過ごすための明かりが無いという側面にフォーカスして、「オイルランプの明かり」をLED照明で再現するべく開発した。そのために採り入れたのが、Broad Washerでも使われているLED光源を板やロッドの表面加工で反射させる“導光技術”。

 導光技術は、LEDチップからアクリル内部を照らし、導光板や導光ロッドの表面に施した加工部分に光が当たることで、反射/屈折して外に明かりを出射する仕組み。表面加工は、印刷またはシボで、光を拡散させる「拡散ドット方式」が一般的だが、パナソニックでは光の出る方向を制御(配光制御)できる同社が独自に呼称する「マイクロプリズム(鏡面)方式」を選択した。

「llumiro」はロッド表面の360度に加工を施している
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