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» 2021年12月21日 18時15分 公開

Microsoftが提言するニューノーマル時代のクラウド化メリット、「目からウロコ!これからのクラウド活用術」<前編>A-Styleフォーラム Vol.8(1/4 ページ)

住宅用3DCADメーカー福井コンピュータアーキテクトは2021年10月1日、Webセミナーイベント「A-Styleフォーラム Vol.8」を開催した。建築分野におけるクラウド活用をメインテーマに、日本マイクロソフトによる基調講演をはじめ、指定確認検査機関の建築確認申請電子化の解説、実力派設計コンサルによる設計効率化テクニックの紹介など、多彩かつ充実した3時間となった。前・中・後編と3回に分けてお送りするうち、前編の今回はオープニングセッションと日本マイクロソフトの基調講演を中心にレポートする。

[柳井完司,BUILT]

 2019年に始まったセミナーイベント「A-Styleフォーラム」は、建築系3次元CADの国内メーカーとして知られる福井コンピュータアーキテクトが主催する、全国の建築・土木のCADユーザー向け大型セミナーイベント。当初は、大阪、東京、名古屋などの大都市で行うライブイベントだったが、2020年後半からはYouTubeでのLIVE配信によるオンラインセミナーに切り替えた。第8回目となる今回は、東京・乃木坂のモンスタースタジオに講師が集合し、リアルタイムライブ配信が行われた。

 定刻となると、第1回からMCを務める福井コンピュータアーキテクトの担当者が開会を宣言し、当日のプログラムと注意事項を説明していく。A-Styleフォーラムの特徴の一つとして、全国のセミナー参加者は、各講演を視聴しながら講師への質問などをWeb経由でダイレクトに投げかけることができる。セミナー終了後には、各講師は時間の許す限り、応えていく──というのがA-Styleフォーラムの呼び物の1つなのだ。

 セミナー開始前の説明が終わると、福井コンピュータアーキテクトの代表取締役社長 佐藤浩一氏が登場した。

建設業界のデジタル化を進める意義

福井コンピュータアーキテクト 代表取締役社長 佐藤浩一氏

 佐藤社長の挨拶では、2万2000件以上とされる日本の行政手続きの話しから始まった。政府は2025年までにこの膨大な手続きの98%以上をオンライン化すると目標を掲げているが、建築行政も同様の流れで進んでいると佐藤氏は指摘する。建設業界でもIT化やオンライン化は着々と進んでおり、建築確認申請などの手続きに関しても、電子申請の受付窓口が全国139社中で7割を超えている。だが、IT化やオンライン化は、「行政が言うから仕方なくやるものではない。そこには、プラスやメリットがきっとある」と佐藤氏は利点を列挙していった。

 まず、確認申請などの申請作業のデジタル化は、時間短縮や省力化がもたらされるし、行政側の人手不足も解消され、業界全体の働き方改革にも貢献する。特に期待すべきは、「コネクテッドワンストップ」から生まれるメリットの大きさだと佐藤氏は話す。簡単に言えば「ひとまとめにする」という意味で、例えば建築確認申請や性能表示、瑕疵(かし)保険、フラット35S、長期優良住宅などのさまざまな申請を一つにまとめ、ロスを無くして効率化を図る考え方。仮に各種検査までも一本化できれば、目に見える効率化が実現するだろう。

 だが、ソフト会社である福井コンピュータアーキテクト自身も、DXは実はまだまだこれからだと佐藤氏は苦笑いする。現在も在宅やテレワークのための各種業務を電子化する整備を進めているが、簡単ではないことは重々感じているという。しかし、そこにさまざまなメリットが生まれてくるのも、間違いないのである。だからこそ、「福井コンピュータアーキテクトはユーザーに寄り添いながらともに努力し、ユーザーのデジタル化やクラウド化に少しでも役に立っていきたい」と力強い口調で佐藤氏は語った。

クラウドで営業・設計・生産のワークフローを連携強化したZERO新バージョン

 続くセッションでは、2021年9月15日にリリースされたばかりのARCHITREND ZEROシリーズ最新バージョン「ARCHITREND ZERO Ver.8」を紹介。ARCHITRENDシリーズと言えば、1987年にArchi-TRENDとして誕生以来、純国産の住宅系建築3次元CADソフトウェアとして進化し続ける製品。住宅を中心に建築設計を効率的・効果的に行える機能を備え、同時に日本の建築関連法規や業界トレンドを捉え、いち早く対応していくCADソフトとして、建築設計者の多くから厚い支持を集めている。

 ARCHITREND ZEROの最新バージョンは、やはり業界のDXの波をいち早く先取りし、牽引(けんいん)する多機能の3次元CADソフトとなっている。開発テーマは「クラウド活用で住宅業界の営業・設計・生産のワークフローを強化する」で、Microsoftのパブリッククラウドサービス「Microsoft Azure」を用いた独自のデータ共有サービス「ATDrive」を核に、プレゼンから意匠設計、確認申請、現場管理まで、横断的に多様なデータのクラウド共有に対応している。BCP対策やテレワークにも最適なのは言うまでもなく、文字通り新時代のワークスタイルを強力に支援する。

「Microsoft Azure」ベースの「ATDrive」で多彩な業務データを共有・活用

 ATDriveによりARCHITREND ZERO Ver.8は、他の製品群との連携も強化している。住まいづくりのためのシミュレーションWebサイト「3Dカタログ.com」、間取り作成アプリ「まどりっち」、住宅プレゼンソフト「ARCHITREND Modelio」などとのリンクも実現。例えば、ARCHITREND ZEROからダイレクトにアップした平面プランを出先で手軽に入手し、打ち合わせなどに使うことも容易になる。

 また、電子化が進む建築確認申請についても、ARCHITREND ZEROのデータから確認申請様式を作成してチェックやWeb経由でダイレクトに申請機関へ提出することに応じている。Ver.8では、他にもユーザーの要望に応え、約40項目に上る機能拡張が行われ、ユーザビリティを向上させている。

他の製品群との連携も強化し、企画から、設計、確認申請、現場管理までのデータ一元化を可能にする「ATDrive」
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