「2021年度の建設投資総額は前年を2.9%上回り、15年度以降で最大規模」建設投資見通し建設業の人材動向レポート(39)(1/2 ページ)

本連載では、ヒューマンリソシアが運営する「建設HR(旧ヒューマンタッチ総研)」が独自に調査した建設業における人材動向について、さまざまな観点で毎月レポートを発表している。今回は、国土交通省の「2021年度建設投資見通し」を基礎資料に、今後の建設市場を予測した。

» 2021年12月15日 10時00分 公開

 本連載では、ヒューマンリソシアが運営する「建設HR」が独自に調査した建設業における人材や市場動向について、さまざまな観点で毎月レポートを発表している。今回は、国土交通省の「2021年度建設投資見通し」をもとに、建設業の市場動向を分析した。

 「建設投資見通し」は、国内建設市場の規模とその構造を明らかにすることを目的として、国内の全建設活動について出来高ベースで推計しており、1960年度から毎年公表されている。社会経済活動や市場動向に極めて大きな影響を与える建設投資の見通しをみることで、今後の建設市場動向を占うことができる。

2021年度の建設投資総額は、20年度を2.9%上回る62.6兆円になる見通し

 2021年度の建設投資の総額は、前年度見込み額(60兆9000億円)を2.9%上回る62兆6500億円になる見通しと発表された(図表1)。20年度は、民間建設投資がコロナ禍で低迷した影響から、前年度比2.5%減に落ち込んだが21年度は持ち直した。建設投資総額にリフォーム・リニューアルの投資額が加えられた15年度以降で、最大規模になる見込みである。

【図表1 建設投資総額の推移】 出典:国土交通省「2021年度建設投資見通し」より建設HR 編集部が作成

政府建設投資は、前年度比2.4%増の24兆5300億円で3年連続の増加

 2021年度の政府建設投資は、前年度比2.4%増の24兆5300億円と、3年連続の増加になる見通しで、建設投資総額と同じく、15年度以降で最大規模になる見通し(図表2)。

【図表2 政府建設投資額の推移】 出典:国土交通省「2021年度建設投資見通し」より建設HR 編集部が作成

 政府建設投資を建築、土木別にみると、政府の土木投資は2015年度の14兆5961億円から増加傾向が続き、21年度には18兆3500億円(15年度比25.7%増)になると見込まれている(図表3)。背景には、多発する大規模な自然災害への対策として、防災・減災、国土強靱化などの公共工事による土木投資が堅調に推移していることがあると考えられる。

【図表3 建築・土木別の政府建設投資額の推移】 出典:国土交通省「2021年度建設投資見通し」より建設HR 編集部が作成
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.