三菱電機は、建築設計をサポートする独自ソフト「空調・換気機器設備設計支援アプリケーション」とNYKシステムズの建築設備専用CAD「Rebro」とのデータ連携を行う。今後は、空調・換気機器のBIMオブジェクトを拡充するとともに、建築業務で役立つ各種ソフトを提供する企業との連携を強化することで、機能性を高めていく。
三菱電機は、建築設計をサポートする独自ソフト「MEL-BIM(空調・換気)シリーズ」の「空調・換気機器設備設計支援アプリケーション」とNYKシステムズの建築設備専用CAD「Rebro」とのデータ連携を2021年12月に開始する。
建設業界では、人手不足が深刻化しており、業務全体の効率化が求められている。また、業界で一般的に使用されている2D図面では、配管位置などで設計者の意図が施工者に正しく伝わらないことがあり、現場で多くの調整作業が発生し、生産性悪化の要因となっていた。解決策として、3Dデータを用いるBIMと設計支援ソフトの活用が進められている。
上記のような状況を踏まえて、三菱電機は、空調・換気機器の設計の効率化を支援する空調・換気機器設備設計支援アプリケーションを開発し、2020年4月にWebサイトで公開した。
空調・換気機器設備設計支援アプリケーションは、膨大な技術資料の参照が必要とされる設備設計業務で、三菱電機の空調・換気機器を自動で選び、機器リストや製品仕様書などをアウトプットできる。また、空調機器の選定では、設計者が計算した熱負荷と配管の長さを基に最適な機器を自動でセレクトし、人手による煩雑な配管長の補正計算を不要とする。換気機器の選定では、換気に必要な風量と静圧をベースに適正な機器を自動で選び、静圧風量曲線※1の確認により最適な機器の絞り込みが可能。
※1 静圧風量曲線:P-Q曲線と呼称され、換気送風機の性能を示すもので、換気送風機が送る空気の圧力と量の関係
さらに、三菱電機は、設計業務の手間を一層軽減する目的で、空調・換気機器設備設計支援アプリケーションとRebroのデータ連携を行う。
今回の連携では、Rebroが出力する部屋情報を、Excel形式で空調・換気機器設備設計支援アプリケーションに取り込めるようになり、部屋情報の入力を削減する。加えて、空調・換気機器設備設計支援アプリケーションで選定した三菱電機製「空調・換気機器」のBIMオブジェクト※2は、Rebroの3D建造物モデル上に自動配置され、人力によるBIMオブジェクトの選択や機器配置といった設計の負担を減らす。
※2 BIMオブジェクト:設備・機器の3D形状情報と、設備・機器の仕様などの属性情報を統合したもの
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