竹中工務店の「燃エンウッド」活用事例、約1515m2の燃エンウッドを導入する施設とは?非住宅 木造建築フェア(2/3 ページ)

» 2021年10月15日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]

最上階のフロアに木造空間を構築

 フランツウッズ木場は、免震構造のRC造と木造を組み合わせたハイブリッド構造の地上12階建てで、竹中工務店が東京都江東区東陽3丁目で保有する単身者向けの社宅。建物には、2時間耐火の燃エンウッドを約39平方メートル使用し、CLTの耐震壁を約69平方メートル採用している。花井氏は、「特徴は、最上階のフロアに、木造空間のカフェテリアと交流を促す共用部を配置している点で、室内では現しの燃エンウッドとCLTの耐震壁を体感できるようになっている」と語った。

「フランツウッズ木場」の外観(左)と最上階の共用部や概要(右)

 タクマビル新館の研修センターは、免振構造のS造と木造を組み合わせたハイブリッド構造の地上6階/塔屋1階建てで、兵庫県尼崎市金楽寺町2丁目2番33号に位置する。また、タクマが、本社で実施しているプラントの遠隔監視と運転支援の拡充や社員教育を目的に開発した。燃エンウッドを約77平方メートル使用し、CLTを約109平方メートル利用している。建物では、燃エンウッド柱と鉄骨梁による大スパンを導入している他、2時間耐火の鉄骨架構に現しCLT耐震壁を組み合わせることで、木の質感を感じられる空間を創出した。

 さらに、外装には、建物外壁の大部分をガラスで2重に覆う建築手法「ダブルスキン」を採用し、ダブルスキンを集成材のマリオン(建物の開口部を支える垂直の材)で支持し、外からも木質感を確かめられるようにしている。

「タクマビル新館(研修センター)」の外観(左)と共用部や概要(右)

 プラウド神田駿河台は、免震構造のRC造と木造を組み合わせたハイブリッド構造を採用した地下1階/地上12階建ての分譲マンションで、東京都千代田区神田駿河台一丁目7番1(地番)に立地する。建物には、燃エンウッドを約3平方メートル使用し、CLTを約6平方メートル用いて、単層積層材(LVL)を44平方メートル活用している。

 具体的には、2〜11階にLVLとRC造の耐震壁を組み合わせた「LVL耐震壁」を設け、12〜14階に燃エンウッドとCLT耐震壁を導入した。さらに、国産材を活用した木の構造部材を見える化し、共用部の壁や住戸の仕上げ材にもスギの無垢材を使い、木のぬくもりを感じられるようにしている。

「プラウド神田駿河台」の外観や共用部
「プラウド神田駿河台」の専有部(上)と概要(下)

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