ZEH対応で高耐震性の木造2階建て住宅、全館空調と太陽光発電設備を後付け可能ZEH(2/3 ページ)

» 2021年10月04日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]

 次に、パナソニック アーキスケルトンデザインの横畠氏が、テクノストラクチャーを活用した木造2階建て住宅であるBASIEの開発背景となった政策や動向に触れた後、BASIEの概要について説明した。

BASIEの開発背景

 政府は、2050年までに温室効果ガスの排出量をゼロとし、脱炭素炭素社会の実現を目指すカーボンニュートラル宣言を2020年10月に行った。2021年4月には、「脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策などの在り方検討会」を開催し、同年8月には、検討会での議論をまとめた「脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策などの在り方・進め方」を公表した。

 脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策などの在り方・進め方では、政府が2025年に実施する「住宅の省エネ基準への適合義務化」や2030年までに施行する「省エネ基準の性能をZEH水準に引き上げ」といった具体策を踏まえて、国内の新築住宅で2030年に、全体の6割で太陽光発電の導入やZEH水準の省エネ性能が確保されると予測している。さらに、2050年には条件に合った物件では太陽光発電の採用が一般的になることなどを予想。

 前述の政策により住宅の省エネ性強化は急務となっている。しかし、大手ハウスメーカーは新築注文住宅のZEH化に注力しているが、一般工務店の対応は遅れている。

新築注文住宅のZEH化率 提供:パナソニック アーキスケルトンデザイン

 また、パナソニックが2021年4月20日〜5月6日に一般消費者4161人を対象にアンケート調査を行った結果、「この1年で、支出が増えたり、お金をかけるようになったものは」という質問では、「光熱費と水道費の支出が増えた」と答えた対象者は全体の30%以上で、テレワークなどで在宅時間が伸長し水光熱費を抑えるソリューションを求めていることが分かった。

「この1年で、支出が増えたり、お金をかけるようになったものは」への回答 提供:パナソニック

 上記のような状況やニーズを踏まえて、パナソニック アーキスケルトンデザインは、省エネ性と快適性を両立した木造2階建て住宅のBASIEを開発した。

「BASIE」のイメージ 提供:パナソニック アーキスケルトンデザイン

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