SUUMOリサーチセンターがコロナ禍で首都圏の賃貸物件契約者に独自アンケートを行った結果、オンライン内見の認知が進み、利用が普及していることが判明した。
リクルートの住まいに関する調査・研究機関「SUUMOリサーチセンター」は、「2020年度賃貸契約者動向調査(首都圏)」を実施し、2021年9月1日に調査結果を発表した。調査は、2020年度に賃貸物件を契約した人の行動実態やニーズを把握するために、2020年4月〜2021年3月に首都圏で賃貸物件の契約者を対象に行った。
今回の調査は、SUUMOリサーチセンターによると新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が本格的に影響を及ぼしてから初の定点調査となったという。そのため調査項目は、コロナ禍で変化した住まい探しの変化について、オンライン内見の利用率と住まいに求める条件について聞いている。
調査結果では、オンライン内見の利用率に関しては、「オンラインのみの内見実施者」が13.5%、「オフラインとの併用者」が6.2%となり、賃貸物件契約者のうち合計で約2割が利用した結果となった。また、物件数別では、オンラインでのみ内見した物件数は3.2件と、オフライン内見の2.9件を上回り、オンラインの手軽さから、より多くの物件を下見したことが分かった。
オンライン見学者のプロファイルでは、内見実施者の最高齢は79歳で、オンラインのみと併用者は男性が60%以上となった。しかし、内見方法の違いで契約までに至る期間や賃料に特段の差は見られなかった。
オンライン上でIT重説を含めて完結する賃貸契約の認知状況は、認知率が73.3%と、3年間で3割弱から7割以上まで大幅に増加している。このうち、「オンライン契約利用経験あり」と回答した人の最高齢は61歳。オンライン契約利用経験者の平均賃料は、8万8353円と、非経験者の9万563円を下回ったが、最高額30万円の物件までの回答があった。
賃貸物件の条件面では、「初期費用」「通勤・通学時間」が2019年度調査と比較して5ポイント以上減少した一方で、居住空間の快適性に関わる「間取り」は2ポイント以上増加した。やむを得ず諦めた項目は、「間取り」「最寄り駅からの時間」「設備・仕様」「生活利便性」が4ポイント以上減少となった。
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