奥村組、戸田建設、西松建設は、共同でデータ利活用型ICT土工管理システムを構築した。ICT土工データを一元的に集約・管理して利活用することで、関係者間のデータ共有が容易になり、管理作業の大幅な省力化と効率化を図った。
奥村組、戸田建設、西松建設は、共同でデータ利活用型ICT土工管理システムを構築した。ICT土工データをプラットフォーム上で一元的に集約・管理し、多様で膨大なデータを横断的に連携して利活用でき、関係者間のデータ共有が容易になり、管理作業の大幅な省力化と効率化を図った。
国土交通省の施策「i-Construction」などにより、現場でのICT活用が進む一方、多様で膨大なデータの取り扱いには専門技術が必要で、データ処理作業が負担となっている。また、土工事における各工程のデータ管理が別々に行われるため、データ連携・活用・推進が求められている。
同システムのデータ共有プラットフォームでは、福井コンピュータのクラウドサービス「CIMPHONY Plus(シムフォニープラス)」を利用し、現場PCからクラウドへデータを自動アップロード、現場、本支社などどこからでも、施工履歴データなどから施工状況をすぐ確認できる。
次に、転圧施工履歴データを点群データとして扱うことで、容易に土量算出する方法を確立した。地上型レーザースキャナ測量と比較し、高さの誤差10センチメートル以内、算出土量の誤差は盛土量約4500立方メートルに対し約10%以内とし、盛土の進ちょく管理に実用できることを確認した。土量算出の作業時間も90%以上短縮する。
土砂トレーサビリティ管理システムでは、「どこの土」を「どの場所」に盛土したか記録できる。ダンプトラックに搭載したセンサーのデータとICT土工の転圧管理システムのデータを関連付けると、3次元土工管理図を自動で作成できる。手作業での管理がなくなることで、1日当たり1人分の作業削減が期待できるという。3次元土工管理図には、施工日や土質情報などの属性情報が自動付与され、将来の施工履歴の確認などにも活用できる。
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