住友林業の木質柱梁「木ぐるみ CT」、3時間耐火の認定で超高層で適用可能に新建材

住友林業は、構造材の周りに不燃材を貼り付け、外側をCLTで覆う木質部材「木ぐるみ CT」の開発を進めており、このほど中大規模木造建築で必要とされる“3時間耐火構造”の認定を受けた。

» 2021年06月03日 10時00分 公開
[BUILT]

 住友林業は、オリジナル木質部材「木ぐるみ CT」シリーズで、2021年2月に梁(はり)部材で3時間耐火構造、同年3月に柱部材で2時間・3時間耐火構造の国土交通大臣認定をそれぞれ取得した。建築基準法で求められる上限の3時間耐火構造を実現したことで、15階以上の中大規模木造建築に採用することも可能となる。

15階以上の木造建築を可能にする「木ぐるみ CT」の3時間耐火構造

 木ぐるみ CTの「CT」とは、木で包まれ、組み合わさった(combined)木質部材(timber)の意。部材の構成は、構造材の柱や梁の周囲に不燃材を貼り付け、その外側にCLTなどの木材を浮かして留め付けている。CLT(Cross Laminated Timber:直交集成板)を浮かして貼ることで、通気層が生まれ、工事中に濡(ぬ)れても乾きやすく耐久性が確保される。下地の凹凸に対しても影響を受けず、仕上げ面をきれいに保てる。

 また、相手材より、その面の部分だけがくぼんでいる「面落ち」が可能なので、CLTの断面をそのまま見せるなどデザインバリエーションも豊富。部材の一部には照明やスプリンクラーを収納することができ、部材周辺の空間デザインを美しくまとめられる。

「木ぐるみ CT」の柱と梁デザイン例 出典:住友林業

 ラインアップは、2016年8月と2020年4月にリリースしたオリジナルの1時間耐火と2時間耐火に、今回の15階建て以上で求められる3時間耐火を加えた柱梁の部材が揃(そろ)ったことで、耐火要件として規模に関わらず全ての建物が木造化できる木ぐるみ CTシリーズとして名称統一している。

CLTと面落ち部分に化粧ボードで仕上げた柱(左)、照明を内部に取り込んだ例(右) 出典:住友林業

 木ぐるみ CTは、2020年に大臣認定された梁部材の2時間耐火構造と同様に、一般流通品のCLTや不燃材などを使用した低コストが特長となっている。既存の木質耐火部材は、特注の耐火被覆材の使用や施工手間の多さなどで単価が高いことが課題だった。

 今回、3時間耐火柱の大臣認定を受けたことで、2041年に高さ350メートルの木造超高層建築物の完成を目指す「W350計画」で試算した柱(荷重支持部の最大サイズ250ミリ角)への適用が可能となり、実現に一歩近づいた。

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