ヒューマンタッチ総研は、国内における建設業の人材市場動向をまとめた2021年1月分のマンスリーレポートを公表した。今月のトピックスでは、厚労省の「労働経済動向調査」を基に、建設業における労働者の過不足状況を分析している。
ヒューマンタッチが運営するヒューマンタッチ総研は2021年1月26日、国内における建設業の人材市場動向をまとめたマンスリーレポート「ヒューマンタッチ総研〜Monthly Report 2021年1月」をリリースした。
今月のトピックスとしては、四半期ごとに労働力の過不足状況を調査している厚生労働省の「労働経済動向調査」から、労働者の過不足状況判断DI※1に関する最新動向を独自に分析している。
※1 「労働者過不足判断DI(Diffusion Index)」:不足と回答した事業所の割合から、過剰と回答した事業所の割合を差し引いた値で、値が大きいほど人材不足感が高いことを表している。
2020年11月調査の産業別正社員などの過不足判断DIをみると、建設業が48ポイントの不足超過となり、最も人材の不足感が高くなっている(図表1)。前年同月の54ポイントより、6ポイント低下しているが、依然として建設業は最も人材不足感が高い業種だといえる。
次に、建設技術者と技能工について労働者過不足判断DIの推移をみると、建設技術者は2020年2月の68ポイントから5月には50ポイント、8月には44ポイントへと低下傾向が続いている(図表2)。
技能工についても同様に、2020年2月の60ポイントから5月は48ポイント、8月は44ポイントへと低下傾向が続く。2020年11月は両職種ともにやや過不足判断DIは上昇しているが、前年同月と比べると建設技術者は10ポイント、技能工は11ポイント低下しており、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、建設技術者、技能工ともに人材不足感は弱まってきていることが分かる。
雇用関連の月次データでは、2020年11月の建設業就業者数は505万人(前年同月比98.4%)、雇用者数は415万人(同98.8%)でともに減少した。
一方、公共職業安定所(ハローワーク)の新規求人数は、6万3813人(同96.4%)と2カ月連続で減少。
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