ヒューマンタッチ総研は、国内における建設業の人材市場動向をまとめた2020年10月分のマンスリーレポートを公表した。今月のトピックスでは、建設業における高齢化の進展について現状を分析している。
ヒューマンタッチが運営するヒューマンタッチ総研は2020年10月22日、国内における建設業の人材市場動向をまとめたマンスリーレポート「ヒューマンタッチ総研〜Monthly Report 2020年10月」をリリースした。
建設業の年齢層別で就業者数の割合を見ると、65歳以上の就業者は2009年には8.1%だったが、2019年には16.4%に上昇しており、この10年間で急速に高齢化が進んでいる(図表1)。
最も割合が高い年齢層は、45〜54歳の24.8%で、45歳以上が占める割合は実に60%に達している。一方、25〜34歳の若手層は、2009年の18.8%から2019年には13.2%までに低下し、建設業では、今後、若手をいかにして確保するかが重要な課題になることが予想される。
2019年における65歳以上の割合を産業別に見ると、最も割合が高いのは「不動産業・物品賃貸業」の26.4%、次いで「サービス業(他に分類されないもの)」の22.6%、「生活関連サービス業」「娯楽業」の18.2%、「建設業」の16.4%で、建設業は4番目に高齢化が進んでいる(図表2)。
一方で、最も65歳以上の割合が低いのは、「情報通信業」の2.2%に続き、「電気、ガス、熱供給、水道業」の3.6%、「金融業」「保険業」の4.8%。高齢化が進んでいる産業と、進んでいない産業の差は大きく開いている。建設業を含めて高齢化が進んでいる産業では、今後、生産年齢人口が減少する中で労働力を持続的に確保するためにも、年齢構成の見直しを早急に進めることが、重要になることが見込まれる。
雇用関連の月次データでは、2020年8月の建設業就業者数は497万人(前年同月比97.8%)、雇用者数は399万人(同95.7%)となり、前年同月比で5カ月連続のマイナスとなった。一方、公共職業安定所(ハローワーク)の新規求人数は、6万2101人(同94.4%)に減少した。
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