建設業のコロナ影響調査、施工は半減もICT活用は拡大業界動向(1/2 ページ)

ハイアス・アンド・カンパニーは、運営する経営情報サイト「HyAS View net」の登録会員にインターネット調査を実施し、会員である中小建設会社や不動産会社における新型コロナウイルスの影響を調べた。結果として、コロナ禍の集客件数やテレビ会議システムの導入状況を明らかにした。

» 2020年07月07日 07時00分 公開
[BUILT]

 ハイアス・アンド・カンパニーはこのほど、運営する経営情報サイト「HyAS View net」の登録会員である全国の中小建設会社や不動産会社に、新型コロナウイルスの事業への影響と今後の対策について調査した。

 リサーチの対象は、経営情報サイト「HyAS View net」メルマガ登録会員の経営者と管理職で、総回答数は104件。回答者の内訳は、住宅建設業者が52.9%、総合建設業者が20.2%、不動産仲介(売買、賃貸)業者が15.4%、不動産開発(住宅分譲)業者が5.8%、土木工事業者が3.8%、不動産管理業者が1.9%。方法はインターネット調査で、実施時期は2020年4月28日〜5月8日。

集客件数は全体の7割以上が前年同時期と比較して減少

 2020年3〜4月の集客件数については、全体の7割以上が、前年同時期と比べて減少し、うち約3割が30%以上ダウンした。消費税増税の反動減の回復が期待された時期だったが、十分な復調は見られず、将来的に事業活動や収益への影響が懸念される。

集客件数と契約件数における前年同時期との比較 出典:ハイアス・アンド・カンパニー

 2020年3〜4月の受注残と施工(引き渡し)については、請負業者のみが回答した。受注残は、消費増税の反動減が作用し、全体の6割以上が、前年同時期と比較して減り、足元の業績に関わる竣工(引き渡し)は、全体の約半数が低減し、4割強が前年同時期と変わらなかった。

受注残件数と施工件数における前年同時期との比較 出典:ハイアス・アンド・カンパニー

 この先3月〜半年後の経営の見通しについては、「運転資金」「雇用(人材確保)」「現場閉鎖が起こった場合の下請け業者への仕事量の確保」「住宅設備などの部材や建材、資材の調達」の4カテゴリーを用いてリサーチされた。

 4つの項目のうち「大いに不安」という回答では、最も高い割合を示したのは現場閉鎖が起こった場合の下請け業者への仕事量の確保だった。「やや不安」の回答を加えた割合では、現場閉鎖が起こった場合の下請け業者への仕事量の確保と、住宅設備などの部材や建材、資材の調達が1位と2位にランクインし、現場を動かせなくなることへの不安が相対的に大きいことが判明した。

経営の見通し 出典:ハイアス・アンド・カンパニー
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