ヒューマンタッチ総研は、建設業主要各社の2020年3月期通期決算のまとめと今後の市場予測を公表した。レポートでは、新型コロナウイルスの影響を見据えたゼネコンの2021年3月期業績予測が、7社中6社で大幅な減収減益となる見通しが指摘されている。
ヒューマンタッチが運営するヒューマンタッチ総研は2020年6月30日、総合工事業(ゼネコン)、土木工事業、電気設備工事業、管工事業、住宅不動産業、プラント・エンジニアリング業の6業種に分類して、2020年3月期通期決算から見る市場動向をリリースした。
総合工事業(ゼネコン)の売上高は、10社中8社が前期を上回り、10社合計の売上高は前期を2.1%上回った(図表1)。
大林組とフジタ(単体)が過去最高の売上高となった一方で、営業利益と経常利益は6社で前期割れ、純利益についても7社が前期割れとなっており、10社合計では営業利益が前期比2.5%減、経常利益が同3.4%減、純利益が同6.9%減で、収益性は低下傾向にある。
2021年3月期の業績予想を見ると、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を織り込んだ数値を発表した7社のうち6社は、大幅な減収減益で、厳しい経営環境となることを予測している(図表2)。
売上高は9社が前年を上回り、8社が増収増益となっている(図表3)。10社合計の売上高は前期比5.0%増、営業利益は同2.8%増、経常利益は同2.5%増、純利益は同14.0%増で、土木工事業界は好調な決算となった。
2021年3月期の業績予想については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を織り込まない予想を発表した4社(NIPPO、日本道路、東洋建設、ピーエス三菱)は、売上高が前期を上回るとしている(図表4)。影響を織り込み済みの数値を明らかにした4社(大豊建設、川田テクノロジーズ、飛島建設、東亜道路工業)は、前期割れの売上高となっているが、総合工事業ほどの落ち込みにはなっていない。売上の中心となる公共投資による土木工事が堅調に推移すると推察されていることから、2021年3月期も土木工事業の下落は、他業種に比べ比較的小さくなるのではないかとしている。
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