技研の「コンビジャイロ工法」が北海道で初採用、壁体を低コストで構築導入事例(2/2 ページ)

» 2020年06月30日 12時06分 公開
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北海道営業所の再開後、インプラント工法の採用加速

 コンビジャイロ工法は、インプラント工法の一種で、鋼矢板によって壁体を築いた後、側面に鋼管杭を圧入して支えとする。鋼矢板の型式、鋼管杭の径、圧入間隔の組み合わせを最適化することで、必要な剛性を満たした壁体を低コストでの造成が可能になる。また、専用の圧入機を使えば、鋼矢板と鋼管杭の施工が1台の圧入機だけで完了する。

壁体の断面形状 出典:技研製作所

 コンビジャイロ工法が採用された理由として、技研製作所では、住宅地が近接するため、低振動、低騒音のサイレントパイラーが評価されたことを挙げる。さらに、従来工法では、桟橋などの大掛かりな作業用仮設工事が必要となる今回の現場でも、全機械装置が施工した杭上で作業を完結させる「GRB(Giken Reaction Base)システム」では、仮設工事がほとんど要らず、工費、工期ともに縮減できることも決め手となった。

 技研製作所は1989年、札幌市に北海道営業所を開設したが、2000年には本社への営業拠点集約に伴い一時閉鎖。2018年6月に再開設した後は、インプラント工法は2018年度は4件、2019年度は10件に上るなど災害復旧、事前防災を中心に、適用範囲を広げている。

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