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» 2019年04月15日 07時54分 公開

導入事例:錦糸町駅南口の狭い敷地に、技研製作所の機械式地下駐輪場「エコサイクル」が完成

技研製作所の機械式地下駐輪場「エコサイクル」が東京・墨田区の「錦糸町」駅南口に完成した。夜間には地上部分の施設がライトアップされ、錦糸町エリアの新たなランドマークとなることが見込まれる。

[石原忍,BUILT]

 技研製作所の機械式地下駐輪場「エコサイクル」2基が、東京・墨田区の「錦糸町」駅南口に完成し、2019年4月1日より区営の公共駐輪場「錦糸町駅南口機械式自転車駐車場」としてオープンした。

設計・施工はグループ企業の技研施工が担当

 開設した駐輪場は、墨田区が錦糸町駅周辺の放置自転車対策として整備した施設で、工事を設計・施工したのはグループ企業の技研施工。設置場所は、昼夜問わず人通りの多い繁華街で、周囲には飲食店、ホテル、マンションが隣接している上、敷地面積が約330平方メートルと狭隘(きょうあい)な立地で施工条件が良い環境ではなかった。

「錦糸町」駅南口に設置された機械式自転車駐車場 提供:技研製作所
敷地平面図 提供:技研製作所

 そのため、技研施工は、狭い土地でも、コンパクトな施工機械とシステム化された独自の「圧入工法」と、地中に圧入した許容構造部材をそのまま駐輪室の躯体壁とする合理的な「インプラント構造」を採用した。周辺環境への影響を最小限に抑えながら、短工期での施工が可能になる。

 機械式地下駐輪場のエコサイクルは、これまでの利便性や安全性の高さ、高速な処理速度に加え、1基あたりの収容台数を標準仕様で24台増加し、合計228台を収容する。自転車を保管する設備の規格も拡大させたことで、より多くの種類の自転車が利用できるようになった。地上には、小さな入出庫ブースがあるのみで、限られた敷地内であっても憩いの場を地域に提供する。

 エコサイクルのコンセプトは、「地上に文化を、地下に機能を」で、技研グループが推進している「開発・設計・施工・保守」を最適化したトータルパッケージ製品となっている。歩行者の通行を阻害し、災害時や緊急時の交通障害となる放置自転車を一掃するだけでなく、健康でクリーンな自転車利用を促進し、都市価値の向上に寄与する。

夜間にライトアップされるエコサイクル 提供:技研製作所

 近年は近距離のエコな移動手段として自転車の存在が重視される一方、放置自転車は都市部で取り締まりによって年々減少傾向にはあるが依然として多く、都市景観や防犯、最近は防災の面で問題となっている。また、利便性の高い駅周辺では、長時間預けられる駐輪場の要望は高いが、現実問題として、地価の高い駅チカエリアで敷地を確保することは困難を極めているのが実情だ。

 こうした背景を受け、東京都内や地方の主要都市では、駅前付近の地上ではなく地下を占用した地下機械式駐輪場の計画は増えつつある。

 そこで技研製作所が開発したエコサイクルでは、自転車は密閉された地下空間に収容されるため、盗難や雨にぬれる心配がない。利用方法も屋根つきの入出庫ブースからの簡単な操作のみ。さらに一般的な平置きの駐輪場では、25メートルプール相当の敷地が必要になるが、エコサイクルの入出庫ブースは自動車1台分程度のスペースしか必要としない。これならば用地確保が難しい場所であっても大規模な駐輪場を整備でき、周辺は公園などの文化的な空間として利用することができる。

エコサイクルの地下部分イメージ 出典:技研製作所

 エコサイクルの施工では、技研製作所の独自技術「圧入工法」を用いる。まず専用杭材を圧入機で円筒状に圧入して、連続壁を構築。次に連続壁内部の土を掘削して、地下空間を作る。機械装置と入出庫ブースを設置すれば完成で、1基あたり2カ月ほどの工期で竣工する。

 システム化された専用のコンパクトな機械で工事を行うため、工事現場も省スペースで、交通規制や周辺への影響は最小限に抑えられる。建築後にも、解体・撤去を視野に入れているシステムのため、機能終焉時には施工時と反対の工程を辿(たど)ることで、簡単に撤去し原状復帰することができ、施設のライフサイクルを考慮した駐輪場システムといえる。

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