キャタピラージャパンは、次世代モデルと位置付ける中型のブルドーザ「D5」を発売した。D5は、土木の造成工事や産業廃棄物処理場で、高い能力を発揮し、従来機に比べトン当たりのコスト低減が見込める。また、オフロード法の2014年基準をクリアする環境性能の他、国土交通省が推進するi-Constructionに対応している3次元マシンコントロールシステム「Catグレード3D」も、オプションで装着することができる。
キャタピラージャパンは2020年5月25日、従来モデルのD6Nと比較して、生産性や燃費、メンテナンスコストなどを改善した次世代ブルドーザー「D5」を発売した。
D5の生産性アップをもたらす新機能としては、ブレードを目標勾配に自動でキープし、初心者でも高精度の勾配施工が行える「Catスロープアシスト」を搭載し、施工時間の短縮やオペレータの疲労軽減が図れる。
D5には、ICT施工を可能にするメーカー純正の3次元マシンコントロールシステム「Catグレード3D」がオプションで選べる。車体の各部にGNSS機器と無線機などを取り付けることで、3次元設計データを利用したブレード自動制御が実現する以外にも、制御システムを従来のポジションセンシングシリンダから高精度な慣性センサーへと改良したことで、施工スピードと施工品質が向上された。
Catグレード3D装着車用のブレード負荷モニターは、GPS信号を利用し、リアルタイムにブレード負荷を検出。車両が耐えられる最大の負荷と現在のブレード負荷をグラフで表示する。
駆動系については、ロックアップ機能付きフルタイム自動変速3速パワートレインを装備し、負荷に応じた自動変速機能で、最適なタイミングでシフトが行われる。ロックアップ機構は、エンジンパワーをダイレクトにトランスミッションに伝達するため、パワーロスが少なく、燃費低減につながる。
運転席は、標準仕様で複数の調整機能が付いた新型オペレータシートと、より直観的な操作が行える使いやすい10インチのタッチスクリーンディスプレイを設置。操縦席のガラス面積は、旧モデルよりも約15%広がり、エンジンフードに角度をつけた構造にすることで、前方視界が30%も向上した。
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