衛星データ解析による都市課題可視化サービスに新機能追加GIS

DATAFLUCTは、衛星データ解析を活用した都市課題可視化サービス「DATAFLUT aline.」β版のリリースを発表した。グリッド単位で、年代ごとのスプロール進行度を可視化・特定する機能を搭載。

» 2020年05月25日 08時00分 公開
[BUILT]

 データビジネス・デベロッパーのDATAFLUCTは2020年3月31日、衛星データ解析を活用した都市課題可視化サービス「DATAFLUT aline.」β版のリリースを発表した。「業界初」(同社)となる、250メートル四方のグリッド単位で、年代ごとのスプロール(市街地拡散)進行度を可視化・特定する機能を搭載。人口誘致施策といった戦略的な都市計画の策定に用いてコンパクトシティの推進につなげることが可能だという。現在、同社のWebページ上で無料公開している。

DATAFLUCT aline DATAFLUCT aline.1975年-1990年(左)と2000年-2015年(右)のスプロール進行度の比較 出典:DATAFLUCT

 同社では、環境負荷の増大、空洞化、空き家、耕作放棄地の問題といった、都市が抱える課題解決のため、衛星データや人流データ、 過去の災害履歴といったさまざまなデータをクラウド上に蓄積するデータレイク(大量の未加工データを保管できる領域)を構築した。「DATAFLUT aline.」とは、このデータレイクを利用し、都市課題を分析・モニタリングできる自治体や民間企業向けのデータプラットフォームだ。

DATAFLUCT aline DATAFLUCT aline.概要 出典:DATAFLUCT

 今回のリリースでは、日本全国を最小250メートル四方に分割したグリッド単位で、スプロール進行度を、時系列(1975年、1990年、2000年、2015年)ごとに可視化・特定する機能を搭載した。グリッドごとにスプロールインデックス(建築物床面積の成長率と人口の成長率を数値化した指標)を算出でき、この数値が大きいほど、スプロールが進行していることを示し、人口増加以上のペースで建築物床面積が拡大していること意味する。

スプロール進行エリア スプロール進行エリアを250m四方のグリット単位で特定 出典:DATAFLUCT

 同社は今後の展開として、協賛自治体募集した上で、都市計画を効果測定するデータサービスの構築、二酸化炭素排出量のモニタリング、管理放棄地の特定、災害リスクおよび被害範囲予測を行うとしている。

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