次の施工段階では、設計段階で決定したモジュールごとに、構成部材の工場製作・加工(プレファブ化)に取り組み、現場搬入後は極力工具を使用しない組み付け施工を行った。他にも、工事プロセスをデジタル化して進捗管理に役立て、さらにMR技術でモジュールモデルと実際の施工状況を比較して確認した。これにより、工程の安定化、現場労務の低減、品質の標準化、産廃量の削減、労災リスクの抑制につながった。
管理段階では、鹿島建物総合管理が運営するファシリティマネジメント(FM)プラットフォームとBIMモデルを連携させた。
FMプラットフォーム側に蓄積した日々の点検情報や中央監視設備からの各種情報はビッグデータ化し、得られた知見を企画・開発へフィードバックすることで、メンテナンス履歴のデータベース化とリアルタイムな建物コンディションの見える化を可能にした。結果的に、設備の最適調整による省エネ化、機器の長寿命化及び故障予測の組み合わせによるライフサイクルコスト低減、建物管理品質の向上が図れるようになる。
なお、今回のプロジェクトで使用したBIMソフトウェアは、建築でARCHICAD、構造でFAST HybridとARCHICAD、設備モデルでRebroだったという。
今後、鹿島建設ではBIMによるデジタルツインを全国の建築プロジェクトに展開することで、各フェーズでの業務を効率化させると同時に、高品質かつ高価値な建物を提供していく。
竣工後の維持管理・運営では、開発済みの「鹿島スマートBM」と連携し、設備の最適調整による省エネ化、機器の長寿命化、故障予測の組み合わせで、建物のライフサイクルコスト低減に向けたトータルソリューションの構築を目指す。
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