三菱電機は、ビル内のエレベーター稼働状況やモビリティの位置情報を示した3次元地図を活用して、ロボットやモビリティの移動管制を行うシステムを開発した。
三菱電機は、ビル内ダイナミックマップを用い、清掃・警備・配送・案内用サービスロボットや次世代型電動車椅子などのパーソナルモビリティと、エレベーターや入退室管理システムといったビル設備を連携して制御する技術を開発した。
ダイナミックマップとは、三菱電機が開発したビル設備の状態やモビリティの位置に、通行可能な経路情報などの動的な情報を付加したビル内の3次元地図。これをモビリティの移動ルートや自動指示に活用することで、効率的かつ安全なビル内の縦横移動が可能になり、ビル管理の省力化に加え、人とロボットが安心に共存する「スマートビル」が実現する。これまでのようにモビリティ同士が鉢合わせして移動できなくなったり、一時的な通行禁止区域へ侵入してしまったり、混雑したエレベーターへ搭乗したりするといった問題が解消される。
具体的には、各種モビリティの移動に合わせ、エレベーターや入退室管理システムといった各種設備を連動させる。モビリティの位置やエレベーターの稼働状況も見える化し、モビリティの故障発生時にはどこで何が起きているかを容易に把握できるため、ビル管理者の負担軽減がもたらされる。
また、開発中のアニメーションライティング誘導システムとも連携を図り、モビリティがエレベーターを乗り降りするのに合わせて、エレベーターホール床面にアニメーションで案内を表示。さらにモビリティが進む方向も、床に投影することで、人が安全にすれ違えるようにサポートする。
今後の方向性に関して三菱電機は、デベロッパーやモビリティメーカーとの共同実証を重ね、ビル利用者の安全に配慮したロボットの縦横移動を支援するサービスとして、2020年度以降の実用化を目指すとしている。
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