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» 2019年12月06日 09時00分 公開

検査・維持管理:インフラの維持管理計画を容易に作れる「土木インフラ維持管理計画の作成支援技術」を開発 (1/2)

三菱電機は、道路・鉄道管理者の意図に沿った維持管理計画を容易に作成できる「土木インフラ維持管理計画の作成支援技術」を開発した。

[BUILT]

 三菱電機、東京工業大学、鹿児島大学は2019年12月2日、道路・鉄道管理者の意図に沿って、土木インフラの長期にわたる維持管理計画が容易に作れる「土木インフラ維持管理計画の作成支援技術」を開発したことを発表。

 この技術は鹿児島県薩摩川内市の協力を得て開発しており、同市が管理する橋梁(きょうりょう)を対象とした実証を2019年11月から開始している。

予防保全の維持管理計画は人手での対応は困難

 近年、高度経済成長期に建設された国内の多くの土木インフラが一斉に老朽化し、更新時期を迎えている。こうした事態に対し、2014年に国は、自治体や道路会社に対して、橋梁やトンネルなどの5年に1回の目視による定期点検を義務付け、壊れてから補修する事後保全から事前に補修する予防保全への転換を推進している。

 だが、予防保全には長期にわたる維持管理計画の作成が必要な上、管理対象となる土木インフラの数は膨大で、現在のような人手による計画の作成は容易ではないという。

 例えば、道路橋の健全度は点検結果により4段階に区分されており、同一の健全度と診断されるインフラが多数存在するため、適切な補修順位の設定は困難。さらに、予算の制約に加え、災害時の避難経路の確保や落下物による第三者被害の防止など、インフラの維持管理目的も多岐にわたるため、維持管理計画に管理者の複数の意図を的確に反映することも難しい。

維持管理計画作成支援の概要 出典:三菱電機

 インフラを取り巻く状況を踏まえ、三菱電機は、橋梁を対象として、劣化進行のモデル化と多様な維持管理目的の指標化を行い、最適化問題として解析。維持管理目的指標の重みづけに応じた補修時期や補修コストを算出し、維持管理計画案として提示できる技術を開発した。また、さまざまな視点で指標の重要度を変更できるようにしたため、管理者の意図に沿った計画の構築が可能になったという。

健全度からの補修時期の推定(左)と損傷の種類から劣化進行を予測し、補修時期を推測(右) 出典:三菱電機

 今回、三菱電機は、コンクリート橋の劣化進行に大きく影響する、ひび割れとコンクリートの剥離、鉄筋露出といった損傷に着目。鹿児島県薩摩川内市が管理する538本のコンクリート橋の橋梁データと点検結果を分析し、劣化の進行速度を予測する独自の「劣化進行モデル」を考案した。

 例えば、定期点検の結果、現在は健全度が同じと診断されれば、劣化進行の速度も同じであると仮定して補修時期を推定するが、実際にはその後の劣化進行速度が異なる場合もある。劣化進行モデルにより、現在の健全度だけでは判断が容易でなかった早期に劣化する土木インフラを見つけられるようになり、個々のインフラに応じた適切な補修時期の予測ができるようになるという。

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