はしごは、工場、インフラ施設、プラント、橋梁など、メンテナンスや点検用途で、さまざまな場所に設置されており、厚労省のデータでは、死傷災害のうち、17%が「墜落・転落」で、このうち事故の起因物は「はしごなど」が22%を占め、2018年の事故件数では約4700件も発生している。
一例として、フルハーネス先進国の米国では、個人用墜落防止または、はしご用安全システムの設置義務が2018年11月から新設・交換用を対象に始まっており、2036年11月までには経過措置を経て、既設のものも含む全てが規制に入るという。
一方、国内では、「縦の親綱に関する義務化は設けられていないが、規制の有る無しではなく、より高い安全性のニーズに応えるため、Dリング付きのフルハーネスと併用する垂直親綱シリーズを発売する。ただ、現場で使ってもらえなければ意味がないので、実用性のある製品を展開し、現場での普及を促していく」(中辻氏)。
米国3Mでは、アンカーや設備側の措置に関しては、フルハーネスよりも長い80年以上の歴史を有しており、今回のブラケットセット、ケーブル、スリーブで構成される3M DBI-サラ Lad-Saf 垂直親綱シリーズにも、海外のアンカー規格「ANSI Z359.16」に適合している他、3Mオリジナルの特徴が多く備わっている。
安全衛生製品事業部 マーケティング部 マネジャー・下山和哉氏は、新製品のプレゼンで、万一の落下時に衝撃を最小限に抑える「高い安全性」、スムーズにはしご昇降ができる「高い作業性」、常設のはしごへ後付けで簡単に取り付け可能な「施工の簡易性」の3つのポイントを示した。
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