データで振り返る“平成30年間”の建設業と雇用環境建設業の人材動向レポート(8)(2/2 ページ)

» 2019年04月26日 10時00分 公開
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建設技術者の有効求人倍率は0.84倍から6.16倍にまで上昇

 次に、建築・土木・測量技術者(以下、建設技術者)の有効求人倍率について、データを確認できた平成13年(2001年)から平成30年(2018年)までの推移を見ると図表3となります。

 建設投資が底を打つ前年の平成21年(2009年)には、建設技術者の有効求人倍率は0.84倍にまで低下しましたが、その後は、建設投資が拡大するペースを上回る急激な勢いで上昇し、平成30年には6.18倍に達しました。

図表3 平成13〜30年における建築・土木・測量技術者の有効求人倍率の推移 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

■まとめ

 建設投資額は、平成4年(1992年)の83兆9708億円から平成22年(2010年)には41兆9282億円にまで大幅に減少。その後、平成30年(2018年)には57兆1700億円に回復しました。

 建設業就業者は平成9年(1997年)の685万人から減少の一途をたどり、平成28年には495万人にまで減少しました。

 建設業の新規求人数は、平成8年の119万人から平成22年には47万人にまで大幅に減少し、建設技術者の有効求人倍率は、平成21年の0.84倍から平成30年には6.16倍にまで急激に上昇しました。

 このように、建設業の雇用環境は景気変動の波や大規模な自然災害の影響等を受けて、平成の30年間で見ると、大幅なアップダウンを経験しており、まさに“激動の時代”であったと言えそうです。

著者Profile

ヒューマンタッチ総研(所長:高本和幸)

ヒューマンタッチ総研は、ヒューマンホールディングスの事業子会社で、人材紹介事業を行うヒューマンタッチが運営する建設業界に特化した人材動向/市場動向/未来予測などの調査・分析を行うシンクタンク。独自調査レポートやマンスリーレポート、建設ICTの最新ソリューションを紹介するセミナーなど、建設業界に関わるさまざまな情報発信を行っている。

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