アイリスオーヤマは、スポーツ施設の市場に本格的に参入する。人工芝やスタジアムチェア、LEDビジョンなどの販売に注力し、2019年度は30億円の売上を見込む。これまでLED照明で培ってきたノウハウに加え、スポーツ施設向きの商品ラインアップを見直し、ワンストップソリューションで提供していく。
アイリスオーヤマは、法人事業の基盤拡大を図る目的で、「スポーツ施設市場」に本格参入することを表明した。スポーツ向け人工芝やスタジアムチェア、LEDサイネージ(看板)などを中心に、初年度は30億円の販売を目指す。
アイリスオーヤマは、2010年より、法人向けLED照明事業を展開し、新商品開発力とメーカーベンダー(製造業と卸業の融合形態)による広範囲の販売ネットワークを活用して国内シェアを獲得してきた。2018年には、LED照明を通じて開拓した建築現場に対する建築内装資材の製造・販売など、事業領域の拡大に積極的に取り組んでいる。
今回本格参入するスポーツ施設市場は、ラグビーワールドカップ2019日本大会、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会といった世界規模のイベント開催を契機に、スポーツを通じた経済活性化への取り組みが進み、スポーツを核とした周辺産業との融合など、新たな市場の創出が期待されている。その一方で、既存施設の老朽化や未整備が問題とされている。
こうした現況を踏まえ、これまでのLED照明を中心としたスポーツ施設の照明だけでなく、本格参入を機にスポーツ施設向けの製品ラインアップを強化。グループ会社の総合力を生かした「ワンストップソリューション」で、スポーツ施設における商流の簡素化とシナジー効果の最大化を図るとしている。
ラインアップは、人工芝、LED照明、内装設備。このうち、人工芝については、人工芝のゴルフ練習用マットで国内トップシェアのグループ会社アイリスソーコーが大分県の工場で人工芝を製造。サッカー場や野球、テニスコート向けなどのラインアップを拡充させ、さまざまな種目と施設に対応していく。また、地盤工事以外の整備事業全般を担い、完成後の補修メンテナンスも請け負う。
主力のLED照明は、高効率のスタジアムやアリーナ向けのLED照明に加え、景観演出用LED照明、LEDサイネージの提案を強化。特にスタジアム照明については、高効率のLED照明を採用することで、一般的な水銀灯の投光器1000W(ワット)とLED投光器HW-Fとを比べ、電気代を約7割削減するメリットを武器に提案していく。
内装設備は、「消費者視点(ユーザーイン)」の発想で、競技環境や施設環境の快適な空間づくりを提供。スタジアムチェアについては、ブロー成型技術を生かし、コスト削減だけでなく、快適性と機能性の実現をPRしていく。
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