近畿圏の新規供給戸数は2万戸を上回ったものの、12月末の分譲中戸数は2907戸で前年末の2539戸よりも368戸増、完成在庫も1086戸と前年末1025戸より、61戸増にとどまった。
分譲単価は659千円/m2で前年比4.6%増加。ワンルームの供給が増えたことで、平均面積が58.37m2と前年比4.1%縮小したことから、平均価格は3844万円と前年比0.2%アップした。
ワンルームを除いた分譲単価は、前年比3.7%増の640千円/m2、平均面積は前年より0.7%拡大して72.47m2。平均価格は前年比4.4%増の4653万円と、分譲価格、平均価格の上昇傾向が変わらない。
また、ワンルームを除いた価格帯別の供給戸数は、3000万円未満が1092戸(前年1626戸)、3000万円台が5598戸(前年5935戸)とそれぞれ前年を下回り、1次取得者層向け住宅の減少傾向は続いている。
分譲マンションの着工戸数や供給予定物件などをみると、2019年も首都圏で4万戸以上、近畿圏でも2万戸ほどの供給材料があるが、実際には、事業主の供給意向に左右されるため、2018年同様に、市況をみながら慎重に供給を行う傾向になると予測。
トピックとして、2019年10月には消費税率の引き上げが予定されているが、分譲マンション市場では、住宅ローン減税やすまい給付金など各種の住宅購入支援策が拡充・導入されることもあり、駆け込み需要が発生し、その反動減は限定的としている。
新規供給戸数は、首都圏では2018年12月の分譲中戸数が9552戸に増えたこともあり、この後は在庫販売へ注力すると判断し、2018年並みの3万7000戸、近畿圏でも2万戸程度の供給にとどまるとみている。
また、都心地域を中心に供給が行われる希少性の高い物件の販売は、2019年も好調に推移。郊外・近郊地域に加え、都心でもグロス価格を抑制した物件の供給も始まるため、2019年の販売状況は2018年を若干上回ると予測した。
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