その他、ランキングに登場した記事では、戸田建設の施工技術のビジョンや非常用電源の法令点検の危うさを指摘した提言、首都高日本橋の地下化などが見られました。
戸田建設のビジョンでは、超高層建築工事の生産性向上を目指し、2023年までにICT技術の現場での実用化を掲げています。BIMを活用した「地上構築技術」、「地下構築技術」、位置測位技術・ネットワーク技術・IoT・ドローンなどの「ICT施工管理技術」で構成され、ここでは、現在の建設×ITの集大成ともいうべき、将来像が示されています。
2つ目の非常用電源の法令点検は、2018年9月に発生した「北海道胆振東部地震」よりも前の話で、実際にこの地震よる電力システム全系崩壊「ブラックアウト」によって奇しくもその重要性は証明される形となりました。一部ではUPS(無停電電源装置)への切り替えに戸惑うデータセンターもあったということで、サービス障害を招き、長期的な電源確保はこれからの課題といえるでしょう。
年号が変わる平成最後の年となった2018年は災害が多く発生し、被災後の復旧に新技術を活用した記事も目立ちました。ドローンによる被災状況の空中からの確認やICT建機による危険な崩落現場での土砂除去作業などは、引き続き重要なテーマとなるのではないでしょうか。
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惜しくもランキング外にはなりましたが、BIM/CIMについては、3次元の設計・施工モデルという枠組みだけではなく、ファシリティマネジメントや修繕・管理にも利用する試み、MR技術との連携など、一歩先を進んだ取り組みに、読者からの関心が依然として高いことがうかがえました。
設計・施工の一貫したBIM活用やi-ConstructionでのCIM適用など、全体的な普及はこれからという段階にありますが、大手ゼネコンやベンダーが旗振り役となって、徐々にではありますが年々広がりつつあるように見えます。2019年もさまざまなアプローチからBIM/CIMの最先端を探り、情報提供していくつもりです。
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