インタビュー
» 2018年07月02日 06時00分 公開

スタートアップ企業インタビュー:海外の設計者集団Studio aiと提携、建築・内装・家具のスタートアップ「TOMOSU」 (2/4)

[石原忍,BUILT]

内装進出、海外チームとのマッチング、家具のプロダクト販売

塚原 信行 / Nobuyuki Tukahara 1971年東京都出身。原建築設計事務所、マルスプランニングを経て1997年渡米。NYでアルバイトしながら英語学校に通い半年後、現職 studio ai architectsの主な構成メンバーと出会うラファエル・ビニオリ建築設計事務所に入所。2002年に帰国後、studio ai architects日本事務所を設立し、現在に至る。

塚原 互いの事務所も流山市と松戸市と自転車で行き来できる距離で、ブランドコンセプトに共感を覚え、すぐに意気投合した。

 私自身は、日本では東京国際フォーラムの設計で知られるニューヨークのラファエル・ビニオリ建築設計事務所を経て、ここの出身者で構成されたNYに拠点を置くデザインチーム「Studio ai architects」の設立メンバー。

 この建築設計事務所は、私自身も設計に関わった、ニューヨーク市のグリニッチ・ヴィレッジ内にある公園にエイズメモリアルのオブジェを製作する国際コンペで、2013年に500組の設計事務所の中から1等を獲得したことで世界的に知られるようになった。

 現在は日本およびNYでの建築や内装設計の他、家具・壁紙デザイナーへの意匠依頼、製品の輸入サポートなどを行っている。最近では、日本のアパレルブランドやショップが海外進出する際に、不動産のテナント仲介や店舗設計、内装デザイン、確認申請まで携わることが多い。

The New York City AIDS Memorial 提供:Studio ai architects
TOMOSU代表・大久保氏

大久保 塚原氏の協力が得られたことで、内装業の進出と、海外チームとのマッチング、海外デザイナーによる家具のプロダクト販売を行う体制が整った。現在展開しているのは、「設計・デザイン・施工」「デザイナーズプロダクトの販売」「世界で活躍するデザイナーとの家具オーダーマッチング」「TOMOSU FURNITURE」の4つのサービス。

 設計・デザイン・施工は、建築・内装のデザインから施工までをワンストップで請け負う。オプションで、要望に応じて海外デザイナーの起用も可能だ。

 デザイナーズプロダクトでは、ニューヨークデザインウィークやミラノサローネなどで実績がある海外デザイナーの作品を日本で制作・販売していく。現段階ではwebサイトや訪問営業が中心で、法人に対し営業をかけている。2018年中に国内のセレクトショップなどにも交渉していく予定だ。

 家具オーダーマッチングは、エンドユーザーからの「サイズや用途、雰囲気など」の抽象的なコンセプトをベースに、海外デザイナーお任せのハイクラス層向け家具を受注生産し販売する。

 TOMOSU FURNITUREは、国産材、アイアン、ライティングをコンセプトに据え、上記のハイクラス向けプロダクトやオーダー品では取りこぼしてしまう、ミドルレンジの消費者に訴求することを想定した家具ブランド。既存プロダクトの他、オーダー製品は木材の種類・アイアンの種類・ライティング、それら全てのサイズなどを含めて自由自在にカスタムできる。ユーザーの全ての要望をフルオーダーで受け付けていく方針だ。

ミドルレンジ向けTOMOSU FURNITUREのチェア

――千葉県産の木と、鉄へのこだわり

大久保 「ポートランド文化」という精神性が、国内でも数年前から流行している。家具業界ではACTUSやunicoのように、北欧家具をイメージとしたファニチャーがトレンドになっている。無垢材と鉄の組み合わせは、それらのキーワードのデザインとしての共通点。

 TOMOSUでは、「TOMOSU FURNITURE」という製品群で他社に次ぐようなサービスを用意している。海外の木を使うのではなく、国産材を利用することで、地産地消を促し、最終的に森の更新を目指して次世代につなげられればという思いがある。ポートランド文化の本質は、エコや地産地消といったローカライズを推進している文化と捉えている。無垢材と鉄との相性の良さから、幅広い客層への支持をねらいたい。

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