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» 2018年06月22日 13時30分 公開

ベンツで導入された実践的なAR溶接訓練システム3D&バーチャルリアリティ展(2/2 ページ)

[石原忍,BUILT]
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塗装膜の厚さを色分け表示し、均一に保つ技術を習得

 ブースでは、VRの塗装技能訓練システムも紹介された。簡易ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を利用し、バーチャル空間でスプレー塗装をトレーニングできる。

 仮想空間では、現実に近い塗料の色で表示され、塗装膜の厚さは色分けしてグラデーションで可視化される。HMDを用いるため、車の内外や対象物の裏側に回って塗装することも可能。訓練結果では、体験者の手の軌跡をアニメーションでチェックする以外にも、デジタルデータとして設計した3Dモデルに対する塗装の検証などにも活用できる。

VRの塗装技能訓練

 塗装技能訓練システムは、自動車業界だけでなく、造船メーカーでも多数採用されているという。船の塗装は、1艘で1億円もの規模になり、塗装工も大勢で作業することになる。そのため、各人の経験年数により、塗装膜の厚みにバラつきが生じることがある。

 VRトレーニングでは、塗装した部分の厚みを10ミクロンなどに設定することができ、それを超えた塗装を行うと白く表示されてしまう。均等の厚さで塗ることが求められるため、塗るという行為だけはなく、均一の厚みで施工する経験が積める。

自動車を想定したVR空間での塗装。白い部分は塗装膜が厚すぎる部分

BIMデータから仮想空間を作るソフトウェア

 他の展示品では、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデルを仮想現実化したソフトウェア「FUZOR2017」のデモも行われた。

 BIMソフトのRhino、Revit、Navisworks、Archicad、SketchUp以外にも、FBXや3DSといった3Dファイルフォーマトに対応。BIM設計ツールと相互連携しているため、BIMツールの変更がFUZORに反映される上、FUZOR上での什器の移動や材料変更といった修正もBIMツール側にフィードバックできる(一部非対応)。

VR化されたBIMモデル

 VR化された建築物は、ワークシェアでき、マーカーやチャット、各自の位置を表示する機能などにより、顧客やプロジェクトの部門間で効率的なディスカッションにつながる。

 また、仮想空間内は、地域と緯度経度指定による地点情報、月日情報から太陽軌道を割り出した日照シミュレーションやGISデータとの組み合わせで日陰シミュレーションも行える。

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