VR/ARが描くモノづくりのミライ 特集
インタビュー
» 2018年06月14日 06時00分 公開

建設×VR/AR/MR:清水建設・戸田建設が監修した死の危険を感じるVR研修。開発した積木製作に聞く (2/3)

[石原忍,BUILT]

建設現場シリーズは、清水建設、戸田建設、三機工業が監修

――VRによるeラーニングのメリットとは

関根 これまでにも、安全対策だけでなく、大林組のオーダーで施工管理者向けに、研修施設内に設置されている現実のモックアップをVR化。BIM/CADデータをもとに、点群データを取得して再構築し、リアルな空間を創出した。

 このVRでは、被験者は鉄筋が組まれた空間を歩き、仕込まれている間違いを発見して指摘し、是正提案するという研修を行う。

 VRに対してリアルなモックアップは、制作コストが高く、改変するのも難しい。そのため、同じ人間に教育ツールとして使用することはできない。また、研修センターが遠方にあると、人を集める時間や移動の手間もかさむ。

 その点、フルCGのVRであれば、カスタマイズは容易。持ち運びできるVRにすることで、全国どこでも研修でき、出題数や難易度を設定できる機能を搭載しているため、毎回違う問題を出すことで、同じ人が何度も研修を受けられる。

本社での建設現場シリーズのデモ
仮想空間内の可搬式作業台上で作業する体験者

――建設現場シリーズの特長

関根 建設現場シリーズのコンテンツは、清水建設、戸田建設、三機工業の3社から専門的な情報提供を受け、現場教育に有効な内容になるまで何度も協議を重ねて作り込んでいる。

 VR空間内にはいくつも危険箇所を設定し、体験者が危険箇所を是正できなければ災害に遭うシステムを採用。体験前には、空間内を見渡す時間も設け、危険予知力(KY)の向上を促すことも考慮している。

積木製作 関根氏

 危険箇所を確認するチュートリアルも用意されており、まずVRの操作確認からスタートし、本編、採点というで流れで進む。最初に学習があり、次に体験、最後に採点で気付きを与えるという仕組みだ。

――パッケージ販売をする理由とは

関根 VRはゼロから制作するとなると、予算とスケジュールがかかる。1社独自のものだと、用途が限定されてしまうが、「墜落」などのテーマは他業界でも使えるので、パッケージ販売することで、結果的にコストを抑えられる。実際に開発にはこれまで数百万がかかっていたが、安全体感VRトレーニングは約10分の1のコストで済む。

 実物のモックアップであれば、自社での安全教育のみに使われるだけだったが、VRによるパッケージ販売となると、業界全体でノウハウをシェアすることにもつながる。

 建設現場シリーズは、BIMデータをベースにリアルな建設現場を再現。今後の第2弾、第3弾でも、同じ空間を使って、ニーズの高い「開口部廻りの危険体験」「外部仮設足場における危険体験」をリリースしていく。

転落時の視点 (クリックで拡大)

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