川崎駅西口で検討されていた再開発計画が本格始動する。計画自体は1999年に決定した川崎市の都市計画に基づくもので、JRの変電所跡地と取得した複数隣接地を一体的に整備。大規模オフィスビルとホテル、低層のフィットネス&スパ施設を建設する。
JR東日本は2018年5月18日、川崎駅西口開発計画の本体建設工事に着工した。同日、起工式を執り行い、2021年春の全体完成を目指す。
計画によると、神奈川県川崎市幸区大宮町1-5の敷地面積約1万2400m2(平方メートル)に、高層のオフィス棟と低層の商業ビル、ホテル棟の計3棟を建設する。オフィス棟は、基準階の貸室面積が約800坪、総貸室面積は約2万坪で、川崎エリア最大級の規模となる見通し。高層棟は地下2階・地上29階(高さ約128m)建て、オフィス部分は延べ床面積約6万6000m2とし、他に保育施設約400m2、約200台を収容可能な駐車場で構成する。
低層棟は地下1階・地上5階(高さ約27m)で、2階にオフィスワーカー向け飲食店などの商業スペース約2500m2、3〜5階はジム・プール・スタジオを備えたフィットネス&スパ約4000m2をそれぞれ整備する。
ホテルは「ホテルメトロポリタン川崎(仮称)」の開業を予定。地上16階(高さ約59m)建てで客室数は300室、延べ約500m2の店舗も併設する。インテリアデザインは国内外の幅広い分野で活躍をしている「SUPPOSE DESIGN OFFICE Co., Ltd.」を起用し、やすらぎと華やぎのある空間デザインとする。ホテル開業は2020年春の予定。
オフィスとホテルは、2階部分で歩行者デッキにより接続。敷地北東〜南西に通じる一連の雨除け動線を形成し、2か所の広場も設け、歩車分離の安全・快適な歩行者ネットワークを整える。
ビル設備は、BCP機能強化として、非常用発電機や災害に強い中圧ガスによるガスコージェネレーションシステムで、停電時には主要設備の他、専用部に15VA/m2(ボルトアンペアパー平方メートル)の電源供給など、72時間以上の電力供給体制を確保する。環境配慮面でも、ガスコージェネレーションシステムの導入や日射遮蔽を図る外装パッシブデザインを採用し、建築環境総合性能評価システム「CASBEE」でSランクを取得する予定だという。
川崎駅西口開発計画の設計はジェイアール東日本建築設計事務所、オフィス棟の構造設計協力は大成建設一級建築士事務所、施工は大成建設。運営会社はオフィス・設備がジェイアール東日本ビルディング、ホテルが日本ホテル、フィットネス&スパがジェイアール東日本スポーツが担当する見込み。
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