IFCデータの入出力を可能に、BIM対応を強化した建設設備CADBIM/CAD

富士通システムズ・ウエストと四電工は、建築設備CAD「CADEWA」シリーズの新バージョンを発売する。IFCデータの入出力や3D関連の機能など、BIMに対応するための機能を強化した。

» 2016年11月08日 06時00分 公開
[長町基BUILT]

 富士通システムズ・ウエスト(大阪市)と四電工(高松市)は、建築設備CAD「CADEWA(キャデワ)」シリーズ の新バージョンとして「FUJITSU 製造業ソリューション 建築設備CAD CADEWA Real 2017」 を2017年1月4日から販売する。

 新バージョンはBIM(Building Information Modeling)への対応として、業界の標準規格であるIFCデータの入出力機能や3D機能、プロパティ機能を強化した。現場の業務負荷軽減に向けて、材料集計機能や3D-PDF出力機能なども追加している。


 CADEWAシリーズ は、1987年から国内販売を始め、2013年からは英語版「CADEWA Real English Edition」の追加提供を開始。東南アジアを中心に実績を伸ばしているという。建築設備業界では、生産性向上を目指す施策として業界全体でBIMに取り組んでおり、そのなかでもIFCデータによる各業者間の建物データの受け渡しは重要視されるファクターの1つとなっている。

 新バージョンでは、互換性強化として、「設備IFCデータ利用標準Ver.1.3」ならびに「BE-Bridge Ver.7.0」「Stem Ver.10」に対応することにより、他社製CADとのより広範な部材情報の受け渡しが可能となった。このほか開口や方位情報の読込みに対応。IFCデータのより正確な表現を実現する。

 3Dに関しては、裏側にある部材の透過表示を実現。フォンシェーディングにより滑らかな3D表現と光沢が再現可能だ。範囲指定による3D表示や3Dへ注釈、寸法作画もできる。また、部材位置の確認や一部3D表示した際の把握を容易にした。さらに、プロパティ情報をユーザに解放し、施設管理情報付加が可能となった。部材についても照明器具や衛生器具などの機器・器具部材,冷媒管ラック・ガイドベーン付エルボ・ナイスジョイント用バルブなどの経路部材を追加。冷媒管やさや管の複線表現に対応している(図1)。

図1 新バージョンの画面イメージ 出典:富士通システムズ・ウエスト

 現場の作業を軽減する機能も強化した。今後ますます増加するリニューアル工事を想定し、撤去記号の一括作画機能を用意している。撤去記号を作画すると同時に工事種別属性を一括で変更することができる。材料集計時には撤去工事、撤去再利用などの工事種別ごとに出力が可能だ。経路部材の重量や保温材の数量も新たに集計可能となり、運搬や設置などの重量検討や、部材発注の際にデータ利用できる。電気図面でのアイソメ表示を可能とし、部材名、長さなどをアイソメに自動で作画が可能となった。

 3D情報を3D-PDFへ出力する機能により、タブレット端末で設計図を3D情報として確認できるようにも強化した。これにより現場では、タブレット端末(Androidデバイス、iOSデバイス)を用いた作業指示や打合せなど、幅広いシーンで建築設備CAD CADEWA Real 2017が活用できる。

 製品は電気スタンダード版「建築設備CAD CADEWA Real 2017 電気」、空調・衛生 スタンダード版「同空調衛生」、総合スタンダード版「同総合」。および電気 平面図作成機能限定版「建築設備CAD CADEWA Real 2017 LT電気」、空調・衛生 平面図作成機能限定版「同空調・衛生」、総合平面図作成機能限定版の「同総合」6タイプ。価格はいずれもオープン価格。

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