老朽化不動産を強くもうかる資産に「再生」、旧耐震基準も対応FM(2/2 ページ)

» 2016年09月02日 06時00分 公開
[陰山遼将BUILT]
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リファイニング建築で低コストに再生

 老朽化した不動産の改修には、青木茂建築工房のリファイニング建築の手法を活用する。これは同社が開発した独自の建築手法だ。リフォームやリノベーションと異なり、耐震上問題のある建物の耐震性能を、軽量化をなど、ブレースなどに頼らない補強方法で現行基準レベルまで向上させる。既存躯体の約80%を再利用することで、建て替えの60〜70%のコストに抑えながら、大胆な意匠の転換や用途変更、設備一新を繰り返し行い、建物の長寿命化を図る(図2)。

図2 リファイニング建築の事例(クリックで拡大) 出典:三井不動産

 同手法では法的な部分についても単体規定については全て現行法に適合させる。特に構造については調査、診断、補強を行った上、工事過程全ての履歴を残し、新たに確認申請書を提出する。これにより竣工後は完了検査済証の交付を受けられる。さらに青木茂建築工房が業務協定を行っている金融機関から一定基準を満たせば長期融資を受けられるため、資金面の課題もクリアできるという。

 今回提供するサービスでは、改修後の建物を賃貸事業を手掛ける三井不動産レジデンシャルリースがサブリースを行う。なお、耐震補強を含めた改修工事は、三井不動産リフォームによる施工も可能だ(図3)。

図3 サービスのイメージ(クリックで拡大) 出典:三井不動産
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