計画から施工までデータがつながる Autodesk Formaが新機能とAIを拡充:BIM

米Autodeskは、建設向けクラウドサービス「Autodesk Forma」の対応領域を計画から施工までのライフサイクル全体へ拡大する。Civil 3DやRevitとの連携を強化し、AIを活用した新機能で、設計や施工管理のワークフローをつなぎ、業務の効率化と高度化を支援する。

» 2026年10月09日 10時00分 公開
[BUILT]

 Autodeskは、2026年9月15〜17日に米国ラスベガスで開催したデザインと創造のカンファレンス「Autodesk University 2026」で、AEC(建築/エンジニアリング/建設)向け業界別クラウド「Autodesk Forma(フォーマ)」の対応領域をライフサイクル全体へ拡大すると発表した。計画から設計、施工に至る全ての工程をシームレスにつなぐ新たなFormaソリューション群と、「Autodesk AI」を活用した新機能の拡充も明らかにした。

計画・設計初期から実世界の情報を検討で活用可能に

「Autodesk University 2026」で明らかになったライフサイクル全体へと拡大する「Autodesk Forma」の対応領域 「Autodesk University 2026」で明らかになったライフサイクル全体へと拡大する「Autodesk Forma」の対応領域 出典:オートデスクプレスリリース

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 Formaは新たに、企画・計画や設計の初期段階から実世界のコンテキスト(文脈/背景情報)を活用するべく、土木や建築設計ツールとの連携を大幅に強化する。

 土木分野では、「Civil 3D」が新たに「Forma Connected Client」となり、Formaと「Revit」との参照ベースの相互運用性を実現する。土木や建築の各分野の設計者が、共通のプロジェクト情報をもとに作業を進められ、工程間で情報を一から作り直す手間を削減する。

 道路交通分野向けの新ソリューション「Forma Street Design」として、ベータ版も提供する。初期設計に都市の街路を検討できるソリューションで、実世界のコンテキスト上で車線構成や交差点を検討し、2D平面図と断面図を同期させながら設計可能になる。ステークホルダーとリアルタイムで変更案を検討した後は、設計データをCivil 3Dへ引き継ぎ、そのまま詳細設計へ移行できる。

 土木分野では、Forma、Revit、Civil 3D間でジオロケーションの仕組みとワークフローを統一。各ソリューション間で位置情報の一貫性を維持し、手動での座標変換やモデル位置のずれを低減する。また、FugroのGeoDin、GroundIQ、Esri ArcGISと連携し、地下情報や地理空間情報をコラボレーションツール内で直接使えるようにする。

Civil 3Dの位置情報を共通して扱える仕組みとワークフローで、アプリケーションをまたいだ位置情報の一貫性を維持する Civil 3Dの位置情報を共通して扱える仕組みとワークフローで、アプリケーションをまたいだ位置情報の一貫性を維持する 出典:オートデスクプレスリリース

 建築設計分野では、FormaとRevitの連携を通じ、初期検討から詳細設計までの情報を継続して活用できる環境を整備する。

 Forma Site Designでは、Autodesk Assistantがプロジェクト敷地に関する自然言語の質問に回答するようになる。

 Building Layout Explorerでは、クライアントが求める住戸構成をもとに、集合住宅のレイアウト案を生成や比較を可能にする。その後、Forma Building Design、Revitへと進み、より多くのプロジェクト情報を詳細設計まで引き継げる。プロジェクトの目標や要件を起点に、オートメーションを活用して早い段階から複数案を検討する「アウトカム(成果)ベースの設計」が実現する。

 Revit自体にもAIを活用した新しいワークフローを組み込み、室内要素の自動補完や注釈の最適化、複数ビューにわたるドキュメント作成の自動化などで設計者を支援する。今後は、現在Revitで行っている設計、解析、調整、ドキュメント作成など、より多くの作業をForma上で直接操作できるように機能を追加する。

 プロセス間のコラボレーションを支える「共通データ環境(CDE)」として機能する「Forma Data Management」では、承認ステータスに基づきアクセス権を自動管理する「Smart Controls」、異なるバージョンの図面を比較して変更点を素早く特定する「Drawing Change Analysis」といった新機能を実装。さらに、2027年初頭には、プロジェクトで設定された建築基準や要件に照らして図面一式を評価し、潜在的な問題を早期に提示する「Drawing Compliance Review」も提供する。

Drawing Compliance Reviewは潜在的な問題を提示し、クリティカル、重大、軽微なプロジェクト上の問題をより早い段階で解決できる Drawing Compliance Reviewは潜在的な問題を提示し、クリティカル、重大、軽微なプロジェクト上の問題をより早い段階で解決できる 出典:オートデスクプレスリリース

 施工の工程では、「Forma Bid」を通じて入札ワークフローをFormaに統合する。請負業者は、入札内容の比較や見積項目の抜け漏れの特定をForma上で効率的に行える。

 Forma Buildでは、Autodesk AIの活用で、ユーザーごとに対応が必要な項目を「Project Home」に表示するとともに、その重要性を素早く把握できる。

Forma BuildのProject Homeでは、AIを活用したインサイトが「Project Home」に表示 Forma BuildのProject Homeでは、AIを活用したインサイトが「Project Home」に表示 出典:オートデスクプレスリリース

 現場向けにはモバイル対応の「Daily Log Agent」を新たに用意し、現場責任者が音声で入力した作業状況を構造化された日報に自動変換することで、終業時の入力負担を軽減する。

 Autodeskは今後もFormaの対応領域を広げ、プロジェクトデータや意思決定の履歴を工程間で継続的に活用できる基盤を強化し、AEC業界でのAIを活用した新たな働き方を力強く推進していく方針だ。

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