清水建設は、BIMデータから高精度な3Dの解析モデルを自動生成する「BIM-FEM連携システム」を開発した。手作業で1カ月以上かかっていた作成期間が3日程度に短縮し、地震による建物の損傷リスクを精密に予測可能になる。
清水建設は、建物のBIMデータから高精度な3次元FEM(有限要素法)解析モデルを自動生成する「BIM-FEM連携システム」を開発したと2026年7月に発表した。
BIMデータに含まれる部材の形状や材質、配筋情報を自動で分析し、地震による建物の損傷を精緻に予測する建物全体の構造シミュレーションモデルを作り出す。従来は1カ月以上を要していた解析モデルの作成時間をわずか3日程度まで短縮し、業務の大幅な高速化と省人化を実現する。
近年、激甚化する自然災害を背景に、建物の被災リスクや安全性を評価する重要性が一段と高まっている。原子力建屋などの重要施設で用いる3次元FEM解析は、複雑な形状を持つ物体を微小要素に分割し、コンピュータを用い、応力や変形といった力学的な挙動を数値的にシミュレーションする手法だ。地震による建物の損傷を精緻に予測可能で、補強や改修工事の合理化、事業継続計画(BCP)の策定に役立つ。
しかし、従来の解析モデル作成は、技術者が図面やBIMデータを参照しながら手作業で作るのが一般的で、膨大な情報を処理するために1カ月以上もの時間と労力が必要だった。
新たに開発したBIM-FEM連携システムは、BIMデータに含まれる部材の形状や材質、配筋情報を自動で分析し、地震による建物の損傷を予測する建物全体の構造シミュレーションモデルを自動生成する。
作成期間を短縮するだけでなく、BIMデータと直接連動するため、設計変更などの更新内容をシームレスに反映できる。常に最新の建物情報に基づいた精度の高いシミュレーションを実施できる点が特長だ。
清水建設は今後、建物の安全と安心を支えるDX推進のソリューションとして、積極的に活用する方針だ。構造シミュレーションが弾き出した災害リスク評価に基づき、被災後の早期復旧を考慮した設計の最適化を図るなど、建物所有者のBCPを強力にサポートする。
将来は、センサーが取得する情報とBIM、そして同システムによるシミュレーションをリアルタイムで連動させ、災害発生時の即時被害予測やBCP支援を可能にする「デジタルツイン」を構築する。
適用範囲も地震応答解析にとどまらず、暴風や衝突、津波など多様な災害事象を対象とした構造解析全般へと拡大する。
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