中部土木は、道路や橋脚といった公共インフラ整備を手掛ける一方、近年は建築分野にも新たな技術を展開している。独自開発した床材「ドリームコーク」は、ワインの栓として使用された後の天然コルクを再利用し、特殊樹脂で固めて成形した環境配慮型の建材だ。
コルクのため、熱伝導率が低く、夏場でも素足で歩ける快適さが特徴。万博では“2億円トイレ”周囲の床材として用いられ、真夏でも熱くならない性能が評価された。半年間にわたる多数の来場者の利用にも耐え、耐久性の高さも証明されたという。
開発から約8年をかけて改良を重ねたドリームコークは、現在では幼稚園や保育園などでも導入が進む。担当者は「暑さが厳しい年ほど問い合わせが増える傾向にある。夏季には緊急施工の依頼が相次ぐほどの人気だ」と話す。万博をきっかけに、その独自素材の存在が一層広く知られるようになった。
大阪・関西万博の象徴的建築物「大屋根リング」へと続くエスカレーター。外装に使われたのが、ケーアイエヌが輸入販売する中空ポリカーボネートパネル「SEPLUX(セプラックス)」だ。世界最大の木造建築物と呼ばれる大屋根リングの意匠を損なうことなく、美観と機能性を両立させる建材として注目を集めた。
ケーアイエヌは、ポリカーボネートをはじめとする建築用の樹脂建材を海外から輸入し、日本国内で販売する専門商社だ。これまで屋内中心に展開してきたが、屋外エスカレーター外装は初の試みとなった。「施工が容易で、撤去もスムーズにできるジョイント構造が好感を持たれた」と担当者は採用理由を語る。接着剤を使わず凹凸を噛(か)み合わせるだけの構造のため、万博終了後も解体が容易で環境負荷の低減にもつながる。
SEPLUXは軽量かつ高強度のX型多層構造。40ミリ厚でも1平方メートルあたりわずか4キロの軽さを実現し、耐衝撃性や耐候性にも優れる。晴れた日には光を透過し、曇天時は構造体と一体化。夜間は反射によって多彩な色彩を見せるなど、時間帯によって異なる表情をみせる素材でもある。ケーアイエヌの担当者は、「万博をきっかけに、動的な美をもたらす建築素材として普及してもらいたい」と期待を込める。
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