今後、建設プロジェクトの品質を落とさず、計画通りに実行(設計〜着工〜竣工引渡し)するために必要なことは何かを問うと、1位「BIMの活用による設計・施工プロセスの生産性向上(33.6%)」、2位「発注者・設計者・施工者を交えた、慣習や建設プロセスの根本的な見直し(31.4%)」、3位「働き方改革を前提とした適正な工期設定(29.3%)」となった。
会社種類別では、建築主全体の結果に比べ、建設コンサルタントは「発注者、設計者、施工者を交えた慣習や建設プロセスの根本的な見直し(44.3%)」が約13ポイント高い。流通、電力会社、大学で不動産、設備投資、建築関連業務(発注業務)の従事者は、「働き方改革を前提とした適正な工期設定(53.3%)」が24ポイントも上回った。
今後の建設プロジェクトで必要なことの1位に、「BIMの活用による設計・施工プロセスの生産性向上」が挙がったため、工事発注者側で受注者に求める詳細なBIM要件をまとめた「発注者情報要件(EIR:Employer's Information Requirements)」の提示実態も聞いている。多い順で「EIRを初めて聞いた(31.2%)」「EIRの提示はしない(19.5%)」だった。
建設プロジェクトでは生産性向上のために、発注者と受注者のBIM活用などに関する円滑な意思疎通、“発注者の主体的な関与”がBIM活用を促す鍵になるといわれている。しかし、工事会社でのBIM活用は施工フェーズにも拡大しているが、建築主のEIR浸透にはまだ課題があるのが現状だ。
一方、「EIRほどではないが、BIM活用を発注条件としたことがある(16.2%)」、「EIRを受注者に提示したことがある(14.0%)」との意見もあり、「工事発注時にBIM要件を提示したことがある方」は約3人に1人にあたる30.2%で、「今後、EIRの提示を予定している(11.7%)」、「EIRの提示を検討している(7.4%)」との結果から「EIRの提示に前向きな方」は約5人に1人にあたる19.1%だった。
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