国交省は2024年にi-Constructionをアップデートし、「施工」「データ連携」「施工管理」の3つのオートメーション化を軸とした「i-Construction 2.0」を発表した。このうち施工のオートメーション化で、独立系ITベンダーのソリトンシステムズは従来の遠隔施工をさらに進化させた建機の“超”遠隔操縦を提案する。
ソリトンシステムズは自社が2024年9月に主催した建設業向けDXセミナーで、「i-Construction 2.0 に対応した建機の“超”遠隔操縦の実際」と題して講演した。
国土交通省は2024年4月、以前から進めている建設現場の生産性向上や働き方の改善などを目標に定めたロードマップ「i-Construction」をさらに前進させ、「i-Construction 2.0」を策定。i-Construction 2.0では、2040年までに生産性を1.5倍にし、建設現場の省人化を少なくとも3割上げるなど、目標値が明確に示されている。
本講演で登壇したソリトンシステムズ 映像コミュニケーション事業部 本部長 百武真也氏は、i-Construction 2.0の中で「省人化」「安全確保」「働き方改革」が生産性向上へ導く目標として強調されていると話す。
2040年に生産年齢人口が2割減少するとの予測があるが、少ない人手で業務を行うためには省人化や生産性の向上は避けられない。人手不足は現時点でも顕著で、特に地方において働き手不足は深刻化している。
安全確保は、昨今の激甚化かつ頻発化している災害への対応が急務となっている。台風や地震による被害の復旧では、危険な作業が伴うケースも多い。そのため、リスクをいかに減らすかが大きな課題となっている。さらに、時間や場所を問わずに働ける環境の実現も、コロナ禍後のニューノーマル時代にあっては社会要請にもなっている。
i-Construction 2.0は、こうした現在の建設業界を取り巻く課題を解決するべく、業務のDXやICT施工を促している。国直轄の工事では、ICT施工を既に原則化していることもあり、今後はより進化した技術を取り込み、自動施工や遠隔操作の普及が加速すると予測される。
i-Construction 2.0では、災害復旧時の斜面工事などで建機を遠隔操作することに加え、通常の工事でも遠隔施工の導入を求めている。遠隔施工が生産性と安全性の向上、労働環境の改善に寄与すると位置付けているためだ。
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