建設用クレーン大手のタダノは、電動の超大型クローラクレーン「有線式電動CC 88.1600-1」の開発に成功した。販売開始時期は2025年夏を予定している。
建設用クレーン大手のタダノは2024年12月12日、電動の超大型クローラクレーン「有線式電動CC 88.1600-1」の開発に成功したと発表した。最大1600トンの吊(つ)り上げ性能を有する超大型製品を電気で動かすことで、クレーン作業中のCO2排出をゼロにできる。販売開始時期は2025年夏を予定している。
有線式電動CC 88.1600-1は、系統電源を使用して電動モータで油圧ポンプを駆動し、クレーン作業効率を維持したまま、作業中のCO2排出ゼロを実現する。タダノの試算によると、電動化により年間約55トンのCO2排出を削減できる。
主な仕様として、入力電源電圧は三相交流6.6kV、入力電流最大値は約90A(計器類、スペースヒータ、エアコン、24Vバッテリーチャージ、ケーブルリール駆動などを含む)、必要電源設備容量は約1030kVA、ケーブル長さは約100メートル。
市場に流通している既存同型製品も、エンジンドライブコンテナと電動ドライブコンテナを現場に応じて載せ替えることで電動化可能だ。
タダノは2030年までに、事業活動におけるCO2排出量25%削減、製品におけるCO2排出量35%削減を目指している(2019年度比)。新製品は「製品におけるCO2排出量削減」に貢献するものだ。
また、CC 88.1600-1は、2019年のTadano Demag買収によってグループのラインアップに加わった世界最大級のラチスブーム式クローラクレーンで、今後、需要の高まりが期待される風力発電事業での活用を見込んでいる。
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