清水建設は2014年にICT戦略を策定して以降、これまでのデジタル化やDXへの取り組みが評価され、2021年から3年連続で東京証券取引所の「DX銘柄」に選定されている。現在は2030年までのDX戦略の方針となる「SHIMZ VISION 2030」を打ち出し、“スマートイノベーションカンパニー”へ成長することを標ぼう。そこで重要となる要素が、「超建設」とデジタル活用で欠かせない「情報セキュリティ」だ。
清水建設 デジタル戦略推進室 基盤システム部長 室井俊一氏は、ソリトンシステムズが9月18日に開催した「建設業向けDXセミナー」で、「清水建設 中期DX戦略と情報セキュリティについて」と題して、清水建設のDX戦略とセキュリティ方針を紹介した。
清水建設は2019年に、デジタル戦略の方針となる「SHIMZ VISION 2030」を打ち出した。2030年までに“スマートイノベーションカンパニー”を目指すロードマップで、室井氏は「人々の豊かさと幸福が実現する持続可能な未来社会に貢献する会社」と説明する。
清水建設のDX戦略は、2014年12月に策定した「中期ICT戦略2014」が起点となっている。その流れは、後に“デジタル戦略”や“DX戦略”と名称を変えながら継続して現在に至っている。
DX戦略で特徴的なのは、「Shimzデジタルゼネコン」を掲げて変革を推進してきたことだ。Shimzデジタルゼネコンは2020年の「中期デジタル戦略2020」で明示し、「ものづくりをデジタルで」「ものづくりを支えるデジタル」「デジタルな空間/サービスを提供」の3本柱を軸に、“匠の心”を持ったデジタルゼネコンを標ぼうしている。そこには、創業者で宮大工の清水喜助の“匠の心”と、210年あまりにわたってものづくりを提供してきた歴史を忘れず、最先端の技術を活用してデジタル化を進めるという指針が込められている。
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