アサヒ飲料と日本エムテクスは、CO2吸収材を主原料とする無焼成の内装用タイル「二酸化タイル」を共同開発した。アサヒ飲料の「CO2を食べる自販機」で回収したCO2を活用する。2025年4月からハウスメーカーやデベロッパー向けに販売する。
アサヒ飲料は2024年12月4日、日本エムテクスと共同で、CO2吸収材を主原料とする無焼成の内装用タイル「二酸化タイル」を共同開発したと発表した。アサヒ飲料の「CO2を食べる自販機」で回収したCO2を活用する。二酸化タイルは、日本エムテクスが2025年4月からハウスメーカーやデベロッパー向けに販売する。
二酸化タイルは、CO2吸収材と、高炉で鉄鉱石を溶融/還元する際に発生する高炉スラグを主原料に使用した内装用タイル。2つの主原料と水を混合して圧縮/硬化させる工程で製造するため、一般的なセラミックタイルの製造工程で必要な約1200〜1300度の加熱焼成が不要だ。モルタルを圧縮/硬化させて製造するため、製品のライフサイクル全体で排出CO2がマイナスとなり、一般的な無焼成のタイルに比べても103%ほど排出CO2が低くくなる。
アサヒ飲料は、CO2資源循環の推進に向けて、CO2吸収材をコンクリートやサンゴ移植の基盤に活用する実証実験に取り組んできた。今回の取り組みを通して、CO2資源循環システムの最適化を図る。
自動販売機は周辺の大気を吸い込んで商品を冷やしたりあたためたりしている。CO2を食べる自販機は、自動販売機の庫内に搭載した特殊材が、大気中のCO2のみを吸収する仕組みだ。1台当たりのCO2年間吸収量は、稼働電力由来のCO2排出量の最大20%に相当する。関東/関西エリアを中心に、2024年11月末時点で約350台を設置している。
自動販売機で吸収したCO2は、取り組みに賛同する自治体や企業とともに、さまざまな工業原料として活用することを計画している。具体的には、アスファルトやコンクリートの原料に配合し、CO2の固定化や海中での藻場造成などに用い、ブルーカーボン生態系の再生を図ることなどを検討している。
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