大林組は近畿地方整備局発注の「すさみ串本道路和深IC工事」で、場所打ち杭の施工で発生した掘削土の改質に低炭素型土質改良材「バイプロジオ(L)」を適用し、改質に関するCO2排出量を約72%削減した。
大林組は2024年10月18日、近畿地方整備局発注の「すさみ串本道路和深IC工事」において、場所打ち杭の施工で発生した掘削土の改質に低炭素型土質改良材「バイプロジオ(L)」を適用したと発表した。バイプロジオ(L)の使用により、掘削土の含水性状を改善しながら、改質に関連するCO2排出量を約72%削減した。
すさみ串本道路は、紀伊半島沿岸部のネットワークを構成する道路だ。今回の工事では河川付近で場所打ち杭を施工しており、地下水位が高いため含水率の高い掘削土が発生する。そのままの状態で掘削土を運搬すると、ダンプトラックから泥水が漏れて公道を汚してしまうことから、土の性状を改善する必要があった。
改質の目標として、目視で水が浮かんでいない状態で、定量的にはテーブルフロー値(50回落下)125ミリ以下にすることを設定。バイプロジオ(L)を1立方メートル当たり30キロ添加したところ、テーブルフロー値は103ミリとなり、従来の改質材であるセメントを同量添加した場合と同等の結果が得られた。
今回の工事では521立方メートルの掘削土が発生した。掘削土の改質に従来通りセメントを使用するとCO2排出量は12.1トンとなるが、バイプロジオ(L)を使用により3.4トンまで削減できた。
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