都市再生機構と京王電鉄バスは、東京都千代田区に位置する「東京」駅の八重洲口前で段階的に整備を進めている「(仮称)八重洲バスターミナル」の名称を「バスターミナル東京八重洲」に決定したことを公表した。
東京都千代田区に位置する「東京」駅前の八重洲側では、各方面に向かう高速乗り合いバスと空港連絡バスが発着する停留所の設置が、駅前交通広場内だけでは対応が困難で、周辺の道路上に散在しているため、鉄道への乗り換えがしにくいだけでなく、道路上でのバスへの乗降により円滑な車両交通や歩行者交通が妨げられているといった課題がある。
そこで、都市再生機構(以下、UR都市機構)と京王電鉄バスは、東京駅前の八重洲側で計画が進められている建物「八重洲二丁目北地区再開発事業(第1期エリア、東京ミッドタウン八重洲)」「東京駅前八重洲一丁目東B地区再開発事業(第2期エリア)」「八重洲二丁目中地区再開発事業(第3期エリア)」で「バスターミナル東京八重洲」の整備を段階的に進めている。
両社は、バスターミナル東京八重洲に関して、三井不動産などが参画する「八重洲二丁目北地区再開発事業組合」が東京都千代田区で開発中の複合施設「東京ミッドダウン八重洲」内で完成する第1期エリアが2022年9月17日に開業することを同年3月15日に発表した。同日には、東京ミッドタウン八重洲で記者発表会と内覧会を開いた。
会場では、UR都市機構 東日本都市再生本部長 村上卓也氏や同本部 都心業務部 担当部長 大貫英二氏、三井不動産 商業施設本部 アーバン事業部長 牛河孝之氏がバスターミナル東京八重洲と東京ミッドダウン八重洲について説明した。
その後、建設が進められる東京ミッドタウン八重洲の地下1階にあるチケットカウンターや地下2階の乗降場所と待合ラウンジが披露された。
UR都市機構の村上氏は、「バスターミナル東京八重洲の事業では、3つの再開発事業でバスターミナルを整備し、東京駅周辺の路上で発着するバス停を集約することで、東京駅前の交通結節機能強化を図る。なお、UR都市機構は、3つの再開発事業に参画し、約2万1000平方メートルのバスターミナル用床を取得し、バスターミナル空間の一体的整備と運営を担い、京王電鉄バスは、UR都市機構からバスターミナル用の床を貸借し、自動者ターミナル法に基づきバスターミナルを運営する」とあいさつした。
UR都市機構の大貫氏は、「バスターミナル東京八重洲の開発では、東京駅前の交通結節機能を強化するため、再開発を踏まえたバスターミナルの整備を国土交通省や東京都中央区と連携し行う他、当社が参画する各再開発事業のバスターミナルを段階的に取得することで、3つの地区をカバーするバスターミナルを実現する」と語った。
バスターミナル東京八重洲の運営コンセプトは、「分かりやすさ・安心感」と「活気のあるバスターミナル」。分かりやすさ・安心感では、独自開発のITシステムを活用して、Webサイトやデジタルサイネージ、自動案内放送、メールでの通知を利用者に行うだけでなく、経験豊富なスタッフによりユーザーに顧客への案内と待機列の整理を実施する。
活気のあるバスターミナルでは、バス出発日の直近まで空き枠を増発便で使え、乗り入れ会社はシステム入力で運行予定を登録できるようにする見込みだ。さらに、全体の開業に向けて、観光案内機能の充実や訪日外国人旅行客に向けた日本文化の発信とイベントの誘致を検討中だ。
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