竹中工務店と鹿島建設は、アクティオやカナモトと共同開発したタワークレーン遠隔操作システム「TawaRemo」を、大阪市内の建設現場に本格導入した。今後は、TawaRemoのメリットを最大限に活用すべく、異なる現場で稼働する複数タワークレーンの遠隔操作を集約して行う拠点の構築を目指して、引き続き諸官庁を含む関係各所と協議を進めていく。
竹中工務店と鹿島建設は、アクティオやカナモトと共同開発したタワークレーン遠隔操作システム「TawaRemo」を、大阪市内にある建設現場の解体作業に本格導入したことを2021年12月14日に発表した。
TawaRemoは、コックピットを用いて、作業事務所や遠隔地のコントロールセンターといった多様な場所でタワークレーンの操作を行えるようにする他、同一の箇所に複数のコックピットを配置し、多数の若手オペレーターに対して1人の熟練オペレーターが指導教育ができる。
コックピットは、操作時の臨場感を重視した「専用タイプ」と、軽量で設置が容易な「簡易タイプ」の2種を用意した。専用タイプのコックピットは、クレーンの運転席に設けた複数台のカメラで取得した映像、荷重などの動作信号、異常信号を表示する各種モニター、クレーンを操作するためのレバーとフットスイッチを備えた操縦席、クレーンの振動と傾きを再現する振動台で構成される。
加えて、クレーンの始業前点検(目視点検)をはじめとする各種操作をコックピットから行えるため、高所の運転席への昇降が不要になるなど、オペレーターの作業環境を改善する。
今回の現場では、専用タイプを用いて実際に建設資材を揚重した結果、クレーン頂部に設置された運転席から操作する場合と同等の作業を行えることが判明した。また、高所にある運転席への昇降が不要となることで、オペレーターの作業環境が良好となり、運転席への昇降に要する時間の約30分も削減され、生産性の向上にもつながった。
今後、2022年初旬には、カナモトが専用タイプに関して5〜10台を目標に増産し、アクティオがTawaRemoの使用時期に応じて同社が保有するタワークレーンの改造を順次実施する計画で、両社が生産した機体を使用し鹿島建設と竹中工務店で適用現場数を拡大していく。さらに、技術連携先である清水建設や「建設RXコンソーシアム※1」参画企業とも連携することでTawaRemoの実工事への普及と展開を加速する。
※1 建設RXコンソーシアム:施工ロボット・IoT分野における技術連携に関するコンソーシアム
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