LIXILは、報告書「脱炭素社会の実現に向けた住宅の高性能化について」をまとめた。日本の住宅の単板ガラスを全てトリプルガラスの窓に換えた場合、熱の流出を約80%低減でき、推計で年間1,509万tのCO2を削減できるという。
LIXILは2022年1月17日、報告書「脱炭素社会の実現に向けた住宅の高性能化について」をまとめたと発表した。
同報告書によると、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)のように住宅を高性能化することで、電気自動車やヴィーガン(完全菜食)などと比較してより大きなCO2削減効果を得られるという。
特に、窓や床、壁、天井など外気に触れる部分の断熱性能を向上させることで、冷暖房のエネルギー消費を大きく抑えられる。日本の住宅の約7割では、単板ガラス(1枚のガラス窓)が用いられている。これらを全て断熱効果が高いトリプルガラスの窓に換えた場合、熱の流出を約80%低減でき、推計で年間1509万tのCO2を削減できるという。
既存の日本の住宅は、約9割が現行の省エネ基準を満たしておらず、高性能化が欧州などと比べて遅れている。同社が実施した住まいに関する意識調査によると、断熱への関心が高い人は多かった一方で、「断熱リフォームをしたことも、検討したこともない」と回答した人が8割以上となった。
Reportocean.comの「エネルギー効率の高い窓市場調査レポート」によると、複層ガラス以上の省エネ窓の世界市場は、2019年から2027年に8.1%のCAGRで成長する見込みだ。LIXILは今後も、同社の製品やサービスを通じて日本の住宅の高性能化を図るとしている。
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