三井住友建設は、独自開発した高性能コンクリート「サスティンクリート」を用いて、高い意匠性を誇るデザインパネル「サスティンWALLゼロ」を開発し、東京都港区で開発が行われた「(仮称)港区東麻布二丁目計画」に適用した。なお、今回の導入事例は建築分野でのサスティンクリートとサスティンWALLゼロの初適用となる。
三井住友建設は、独自開発した高性能コンクリート「サスティンクリート」を使用し、高い意匠性を誇るデザインパネル「サスティンWALLゼロ」を開発したことを2022年1月13日に発表した。
サスティンWALLゼロは、高性能コンクリートのサスティンクリートが持つ低収縮、低発熱、低炭素、高流動、高強度という特性を生かして、高い意匠性を実現しつつ環境負荷の低減を実現する。同社は既に、東京都港区で開発が行われた「(仮称)港区東麻布二丁目計画」でサスティンWALLゼロを設備機器の目隠しパネルとして適用している。
具体的には、サスティンWALLゼロを5枚並べたパネル(1枚当たり幅約1.6×高さ約1.8メートル)に、適用された建物のデザインモチーフである「麻の葉」の文様をイメージした六角形の開口をランダムに設けた。
加えて、六角形の開口同士は、近接しており、通常のコンクリートでは成形が難しく、ひび割れが生じやすい開口間幅(最小幅30ミリ)となっていたが、サスティンWALLゼロの低収縮と高流動の特性で、欠けやひび割れが生じない仕上がりを達成した。
さらに、建物に親和するデザインを成立させるため、コンクリートの重々しさを軽減する薄さが求められたが、サスティンWALLゼロの高流動と高強度の利点を用いて、無鉄筋で厚さ40ミリの薄型パネルを作成し配置してニーズに応えた。
また、使用されたサスティンクリートは、1平方ミリ当たり120ニュートンの超高強度だったが、ポルトランドセメントを一切利用しておらず、従来の高強度コンクリートに比べ、製造時のCO2排出量は80%以上削減されている。
建物は、RC造(一部S造)地上9階建てで、延べ床面積は8871.74平方メートル。所在地は東京都港区東麻布三丁目で、敷地面積は2006.06平方メートル。用途はホテル、飲食店、物販店舗。設計監理は三井住友建設一級建築士事務所が担当し、施工は三井住友建設東京建築支店が担い、工期は2019年10月1日〜2021年7月30日。
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