建設HRは、国内における建設業の人材市場動向をまとめた2021年11月分のマンスリーレポートを公表した。今月は、厚生労働省の「新規学卒者の離職状況」の最新データから、建設業に就職した新卒者の離職率を独自に調査した。
総合人材サービス会社のヒューマンリソシアが運営する建設人事のお悩みに寄りそうオウンドメディア「建設 HR」は、建設業に特化した人材関連の公式データをもとに、「新卒者の3年以内の離職率の実態」について調査し、「建設HR マンスリーレポート 2021年11月」として公開した。
大学新卒者の就職後、3年以内の離職率について過去10年の推移を調査したところ、「建設業」は、2014年卒業の30.5%をピークに、15年卒業(28.9%)、16年卒業(27.8%)と離職率が低下している。17年卒業は、29.5%に上昇したものの、18年卒業は28.0%に低下した(図表1)。
一方で、「製造業」及び「全産業平均」は、18年卒業以外では建設業のように明確な低下傾向はみられなかった。なお、18年卒は、就職後、3年目に新型コロナウイルス感染症が拡大しており、離職率の改善にも影響していると考えられる。
高校新卒者の同離職率は、「建設業」では2012年卒業で50.0%に達し、2人に1人が就職後に3年以内で離職する状況にあった(図表2)。しかし、その後は改善傾向が続き、18年には42.7%まで離職率は低下している。
一方で、「製造業」及び「全産業平均」は、多少の増減はあるが、ほぼ横ばいの状況が続く。
これらのデータから、建設業の大学及び高校の新卒者の就職後、3年以内の離職率は、徐々に改善傾向であることが読み取れる。このことからも、深刻な人手不足を背景に、建設企業各社が新卒社員の定着率向上に注力していることが推察される。
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