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» 2021年10月22日 07時00分 公開

施工後の下地コンクリートの視認性を確保した「タフネスコート工法」を開発、清水建設新工法

清水建設は、2021年6月に土木学会の技術評価を取得した「タフネスコート工法」の新バージョンとして、施工後に下地コンクリートの状態を確かめられる「タフネスコート工法クリア」を開発した。同社は今後、タフネスコートシリーズの現場適用に注力し、コンクリート構造物の維持管理を効率化していく。

[BUILT]

 清水建設は、三井化学産資と共同開発したコンクリート構造物向け機能保持・向上技術「タフネスコート工法」の新バージョンとして、構造物に被覆するポリウレア樹脂を透明化することにより、施工後に下地コンクリートの状態を確かめられる「タフネスコート工法クリア」を開発したことを2021年9月3日に発表した。

従来のタフネスコートより強度は若干低く伸びが大きい特性を

 タフネスコート工法は、コンクリート構造物の表面にポリウレア樹脂を薄く吹き付けるのみで、剥落防止性能や貯水性能、耐久性能、耐衝撃性能を向上し、構造物の長寿命化に貢献する樹脂吹き付け工法。使用するポリウレア樹脂は、引張強度が1平方ミリメートル当たり24ニュートンで、伸び性能が200%と、バランスの良い材料特性を備えている。

 上記の特性を有しているため、引張力が作用してもなかなか破断せず、引張りに弱いコンクリートを強化できる。さらに、経年劣化が進むインフラ構造物の維持管理を効率化する工法として採用件数が増加している。

 しかし、技術の普及に伴い顕在化してきたのが、表面を被覆した後も下地コンクリートの状態を確認したいというニーズ。そして、これまで利用されていたタフネスコートの樹脂材料は、吹き付け時に混入する微小な独立気泡に光が乱反射して白濁化する他、紫外線により樹脂成分が黄変する性質を持っていたことから、顔料を添加して着色していた。こういった特性のため、下地コンクリートの状態を施工後に確認することは困難だった。

「タフネスコート工法クリア」の施工事例、吹付け(左)と吹付け完了(右) 出典:清水建設プレスリリース

 そこで、清水建設はタフネスコート工法クリアを開発した。タフネスコート工法クリアは、ポリウレア樹脂の成分配合を工夫することで、樹脂成分による黄変の進行を遅らせ、被覆材の変色を防止する。さらに、成分配合と塗装条件の最適化により白濁の原因となる独立気泡の混入を抑え、従来工法よりも硬化開始時間を遅らせることで、気泡を被覆材から除去する時間を確保した。

 前述の取り組みにより、透明な状態で変色の度合いが少ない被覆を実現。加えて、この透明なタフネスコートは吹き付け後、約3分で硬化し、早期に所定の強度を発現する。また、引張強度は1平方ミリメートル当たり5ニュートンで、伸び性能は450%と、従来のタフネスコートより強度は若干低く、伸びが大きい特性を持つ。

「タフネスコート工法クリア」吹付け後の状態、左から、ひび割れ、クラックスケール、文字 出典:清水建設プレスリリース

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