建設現場に特化したデジタルサイネージ?朝礼看板や電子黒板で図面や工事進捗を共有建設・測量生産性向上展

ヤマト広告は、販売展開している総合デジタルサイネージ(DS)システム「ヤマトサイネージ」に、朝礼看板や仮囲いに掲出するタイプなど、建設現場に特化したDSを追加した。過酷な建設現場に合わせ、防水や防塵(ぼうじん)の他、直射日光でも見やすい高輝度、大画面の図面共有システムなど、多様な機能を搭載している。

» 2018年09月25日 11時00分 公開
[石原忍BUILT]

 ヤマト広告は、DSの製品シリーズ「ヤマトサイネージ」に、建設現場向けに特化した製品ラインアップを加えた。2018年8月28〜30日に幕張メッセで開催された「建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO)」では、大型の電子黒板が注目を集めた。

5500cdの高輝度、防水・防塵のLEDビジョンで建設現場の朝礼に活用

 ヤマトサイネージの建設用DSは、現場での朝礼看板をはじめ、仮囲いに掲出するタイプ、工事内容の確認や図面共有といったホワイトボードとして利用できる電子黒板など、多岐の用途に応じた製品をそろえる。コンテンツの配信システムも、建設現場のICT化を目的に独自開発したクラウドタイプのCMS(コンテンツマネジメントシステム)を搭載。一般的な天気予報から、建設業向けの熱中症指標(WBGT)、近隣住民への案内、オリジナルPR動画の放映など、多岐の用途に応じたコンテンツ配信が可能だ。DSの表示面も、液晶ディスプレイに比べ、反射がほとんどなく、日中の直射日光下でも視認性が確保されている。

建設・測量生産性向上展でのデモ=8月28日、幕張メッセ

 朝礼看板用の「YS-CSXシリーズ」は、iPadをミラーリングし、図面や画像、動画を大画面に映し出すことで、数百人規模での情報共有が実現する。ワイヤレスマイクも組み込め、ラジオ体操・危険予知活動(KY活動)などとしても活用できる。

 パネルの最小単位は320mm角の正方形で、これを組み合わせて構成するため、サイズは柔軟に応じられ、各現場に最適なスクリーンの大きさで提供。取り付け方法は、LEDブラケットの背面フックを単管に引っ掛けるだけのため、急な移設にも容易に対応可能。

 輝度は液晶を大幅に上回る5500cd(カンデラ)で、南向きの直射日光が当たる朝礼会場でも視認性を損なうことがない。最小パネル自体がIP65の防水・防塵(ぼうじん)性能を有しているため、過酷な建設現場でも支障をきたさない。

建設現場での使用例 出典:ヤマト広告

 仮囲いLEDビジョンは、騒音・振動のレベル表示などのシンプルな情報発信だけに限らず、天気予報や災害情報、街のイベント発信、建設現場の工程表、進捗管理など、多様な使い道が見込める。サイズも7〜98インチまでの豊富な種類があり、輝度も350〜2500cdと用途に合わせて選択できる。屋外では液晶ディスプレイの場合、高温で画面が黒化する“ブラックアウト”の問題があったが、ファンやエアコンによる自動温度制御機能を備えているため、ブラックアウトはもちろん結露も防ぐ。

iPadと図面管理システムで工事内容を共有 出典:ヤマト広告

 電子黒板は、65/75インチの2モデル。カスタム化されたAndroidを搭載し、ディスプレイ単体での軽快な動作に加え、豊富な外部機器入力も備える。。6つのUSBポートと3つのHDMI(2.0/1.4)ポート、スロットインPCポートといった多くのポートがあるため、画面の拡張とパフォーマンスを強化することが可能だ。

 電子黒板のアプリケーション「EZWrite4.0」は、直感的なユーザーインタフェースでMicrosoftOfficeシリーズやAdobe PDFなどと互換性がある。PCで制作されたドキュメントをクラウドやUSBメモリから開いて、会議やプレゼンテーションで使える。

 電子黒板としての特長は、フロントスピーカーがペントレイと一体化。スピーカーは16Wを2基内蔵している。専用ペンは防水性で、バッテリーが要らず、Bluetoothなどのペアリング設定も不要だ。

 ヤマト広告では、無災害記録のカウントダウン表示や来客に自動で応答する受付機能など、現場で求められるオリジナルのDSシステムをカスタマイズして提供している。

簡単に書いて消せる電子黒板=8月28日、幕張メッセ

【訂正】記事掲載時、一部商品名に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

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