紙器・パッケージの製造販売を行うサガシキは、日本で独占販売契約を結んでいるオープンプラットフォームのデジタルサイネージ管理システム「ENPLUG(エンプラグ)」に、新機能として顔認識システムを追加した。
佐賀県に本社を置き紙器・パッケージ・段ボール什器のデザインから、製造、販売までを手掛けるサガシキは、米国トップシェアのクラウド型デジタルサイネージ(DS)管理システム「ENPLUG(エンプラグ)」の日本での独占販売を行っている。今般、新たにENPLUG Analytics Seriesとして、「顔認識システム」を搭載したバージョンをリリース。2018年7月から本格的に販売していく。サガシキ マーケティングコンサルタントの渡部知記氏に、エンプラグのウリや顔認識システムの開発経緯などを聞いた。
エンプラグは、雑誌「フォーチュン」で「30歳未満の女性起業家トップ10」にノミネートされたナンシー・リューCEOが米国で立ち上げたベンチャー企業。オープンプラットフォームのDS管理システム「エンプラグ」を開発し、米国内で既に1000社以上で導入され、No.1のシェアを有している。
これまで、DSを導入するには、ハードウェアを購入し、ストレージに素材を入れ、配信・管理する作業が必要で、初期費用としてもおそよ200〜300万円がかかっていた。実際に運用するまでの期間が、3〜4カ月かかることもネックとなっており、多くの小売店などでDSを導入することは高い敷居(しきい)だった。
エンプラグのシステムは、小型端末の「エンプラグ デバイス」をDSにつなぐだけで、その日から使用することができる。1〜4Kまでの大型も含めたあらゆるディスプレイに対応する。
渡部氏は、「クラウド上で管理するため、どこにいてもDSの制御が行え、場所の異なるチェーン店に設置されている複数台、またはピンポイントで1台のみのどちらでの管理にも応じられる」と話す。
配信管理は、誰でも扱えるように、表示時間100%のバー上で、広告40%、YouTube10%、写真30%、News20%などに配分を直感的に振り分けるだけで完了する。
デバイスには、海外では主流のAndroid OSを搭載し、最近では公式アプリ以外では配信できないInstagramをはじめ、Facebook、RSS配信ニュース、天気予報、YouTubeなど、標準で10個以上のアプリが用意されている。SNSを流せば、それ自体が放映コンテンツとなるため、DSを管理している企業の悩みの種になっている広告と広告の合間のコンテンツをゼロから作る必要が無く、この辺りが他のDS管理デバイスには無い大きな魅力だという。
今後は、ニーズは多いが、契約料が高いためペイしにくい、バスや電車の遅延情報なども、DSに特化して複数台でのライセンス契約などにより、低コストでのアプリ化提供も目指したいとした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.